【新刊】銀幕(スクリーン)の中のキリスト教

 ようやく初の単著「銀幕(スクリーン)の中のキリスト教」が、キリスト新聞社から出ることになりました。以前編著「シネマの宗教美学」がフィルムアート社から出てますが、今回も「映画+キリスト教」という本です。発売は7月下旬予定。

 キリスト新聞社の雑誌「Ministry」や「キリスト新聞」に連載していた映画コラムが中心ですが、これだけでは単行本の分量に足りなかったことから書き下ろしも入れ、さらにもたもた推敲や校正作業をしているうちに数年かかってしまいました。

 3年ぐらい前に「もうじき単行本でます!」なんて言ってたんですが、その後作業が遅々として進まないので半分諦めてました。とりあえず、形になってよかったです。

 僕がこの世で好きなものは2つあって、1つは映画、もう1つはキリスト教。クリスチャンでもない僕に、老舗のキリスト教媒体で映画とキリスト教についての連載コラムを書かせてくれたキリスト新聞社の松谷さんには本当に感謝してます。

COLD WAR あの歌、2つの心

6月28日(金)公開 ヒューマントラストシネマ有楽町

愛すればこそ苦しむ恋人たち

 第二次大戦直後のポーランド。国内各地の民族音楽を収集しながら、若い歌い手や踊り手を捜し求める人々がいた。彼らは国立音楽舞踊団のメンバーを集めているのだ。スカウト活動に参加していた音楽家のヴィクトルは、オーディションに参加したズーラという歌い手に目を引かれる。彼の推薦で入団したズーラはたちまち花形歌手として脚光を浴びるようになり、ヴィクトルとの間に恋愛関係も芽生えた。だが政府の監視を受けるようになっていたヴィクトルは、舞踏団の東ベルリン公演を機会に西側に脱出。彼はもともとズーラと一緒に亡命するつもりだったが、彼女はなぜか待ち合わせ場所に現れなかった。数年後。パリでジャズピアニストとして活動していたヴィクトルは、公演でパリにやって来たズーラと再会する。その後何度かのすれ違いを経て、ふたりはようやくパリで一緒に暮らすようになった。だが気性の激しいズーラは、頑固なヴィクトルとの衝突も多かった。

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ブルース・ブラザース

7月12日(金)公開 午前十時の映画祭10 FINAL

ジョン・ベルーシ主演のカルトムービー

 強盗の罪で3年の刑を受けたジェイク・ブルース。出所すると、刑務所前で弟のエルウッドが待っていた。ふたりにとって「我が家」である孤児院に挨拶に行くと、そこは5000ドルの固定資産税未納で閉鎖の危機。「そんな金はすぐ作れますよ」と言うジェイクに、院長は「盗んだ金なんて要らない!」と啖呵を切る。じゃあどうすりゃいいの? 管理人のカーティスから、クリオウファス牧師に会えとすすめられたジェイクは、牧師の教会で天の啓示を受ける。「バンドを再結成するんだ!」と息巻くジェイクは、エルウッドとふたりで昔のメンバーを探し当ててバンド活動を再開。だがその過程で、警察、ネオナチ、ジェイクを狙う謎の女、ステージを奪われたカントリーバンドなど、荒っぽい連中から狙われる羽目になる。はたして「ブルース・ブラザース・バンド」のライブは開けるのか。孤児院を救うための金は集められるのか。ブルースとエルウッドは会場に向かう。

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トイ・ストーリー4(吹替版)

6月12日(金)公開 全国ロードショー

人気シリーズも本当にこれで完結(?)

 長年親しんだアンディの部屋から、新しい持ち主ボニーの部屋に引っ越したウッディと仲間たち。ウッディはお気に入りの第一線から離れたが、今でもオモチャたちのリーダーだ。そんなオモチャたちの仲間に新しく加わったのは、ボニーが幼稚園で作った使い捨てプラスチック・フォークの人形フォーキー。材料がゴミ箱のゴミだったせいか、フォーキーは何かあればゴミ箱に飛び込みたがる厄介者。ボニーのお気に入りのオモチャを、ゴミにするわけにはいかない。ウッディはフォーキーがゴミ箱に飛び込むのを押しとどめるのに必死だった。ある日、ボニーと両親はキャンピングカーで旅行に出かけるが、その途中でフォーキーはついにゴミ箱目指して脱出に成功。ウッディはフォーキーを救出するため自分も車から飛び降りるが、行き着いた先では思いがけない出来事が待っている。それは以前アンディの部屋で一緒だった、電気スタンドの付属人形ボー・ピープとの再会だ。

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約束

7月12日(金)公開 ミッドランドスクエアシネマ

男と女の映像詩

 公園のベンチで、中年の女がひとり誰かを待っている。だが待ち人は現れない。それでも女は待ち続ける。いったい誰を? 物語は2年前にさかのぼる……。女は列車に乗っていた。日本海沿いを北に向かって走る、混み合った特急列車だ。彼女の前の空席に、若い男がすべり込んでくる。顔の上に新聞を広げて眠りはじめた男。その新聞の見出しにある殺人事件の記事を見て、何かを思いだしたように女の顔が一瞬曇る。女が体を伸ばすため席を立つと、眠った男の顔から新聞が滑り落ちた。あわてて載せ直すがうまくいかない。女は自分の髪からヘアピンを1本抜くと、新聞を男の襟元に留める。やがて男は目を覚まし、新聞を留めていたヘアピンに気付く。「これあんたのかい?」。そんな風にして、男と女は出会った。やけに人懐っこく馴れ馴れしい若い男に女は苦笑しながら、それでもふたりは少しずつ距離を縮めていく。自分たちが恋に落ちるなど、まだ知らぬまま……。

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僕はイエス様が嫌い

5月31日(金)公開 TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー

イエス様は役に立たない神様だった

 祖父が亡くなりひとりになった祖母と暮らすため、東京からとある地方都市に引っ越した星野家。小学生の由来が転校したのは、祖母の家の近くにある小さなキリスト教系の小学校だった。その学校で、はじめて「イエス様」のことを知る由来。「イエス様って何なの?」と問う由来に、「それは神様じゃないの?」と答える祖母。その翌日、由来は学校の礼拝で小さなイエス様の姿を見かける。その小さなイエス様に、由来はひとつのお祈りをする。「どうか新しい学校で友だちが出来ますように!」。その翌日、由来には和馬という友だちができた。これって、イエス様のおかげ? 由来はその後、また別のお願いもしてみる。「どうかお金がもらえますように!」。その夜、由来は祖母から「おじいちゃんのヘソクリをみつけた」と千円もらうことになった。金額は中途半端だが、これはいよいよイエス様のおかげだ。しかしそんな由来に、思いがけない衝撃的な事件が起きる。

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新聞記者

6月28日(金)公開 新宿ピカデリーほか全国ロードショー

政権批判の話題作だが映画としては落第点

 東都新聞の女性記者・吉岡のもとに、1通の匿名FAXが送られてくる。それは国が進めている大学新設計画に関する資料だった。重大な内部告発だが、情報発信元がわからないのでは情報の裏取りが出来ない。情報の信憑性について検証すると共に、吉村は情報提供者の正体を探り続ける。同じ頃、外務省から内閣情報調査室(内調)に出向中の若手官僚・杉原は、新人時代の上司だった神崎に呼び出される。現在杉崎は内調の上司に命じられるまま、政府のためのネット情報工作に従事していた。そこでは情報の隠蔽や秘匿、敵対陣営へのネガティブ情報の流布、虚偽情報の捏造など、やりたい放題だ。かつて自分に国民のために働く官僚の心構えを説いてくれた神崎を前に、恥ずかしげに現在の自分の境遇をぼやいてみせる杉原。だがそんなかつての部下に、「皮肉なものだ。かつての自分に叱られるとは」と悲しげな笑みを浮かべる神崎。彼はその直後に、自殺してしまった。

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Girl ガール

7月5日(金)公開 Bunkamura ル・シネマほか全国ロードショー

その気持ちはすごくわかるけど……

 ベルギーの有名なバレエ学校に転校してきた15歳の少女ララ。家族は彼女のために、わざわざ新しい町に引っ越して来た。バレエに対する人並み外れた情熱と才能の片鱗を見せるララだったが、それまで通っていた学校と新しい学校では、生徒に求められる技術のレベルが違う。だがこれに食らいついていかなければ、学校に残ることは出来ないのだ。そんなララには、他の生徒とは違う問題があった。それは彼女がもともとは男の子としてこの世に生まれてきたこと。思春期を迎えて、ララの体は「こども」から「おとなのオトコ」の体へと変化していく。医師の診断でホルモン療法を受け、いずれは性適合手術を受けることになっているが、それを待つ間にもどんどん自分の体が変化しているのがわかるのだ。家族や親戚はもちろん、学校の教師や他の生徒たちも、ララのことを理解してくれている。そのことで差別的な扱いを受けることはない。だがララは満足できないのだ。

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