かけがえのない人

8月22日(土)公開予定 YEBISU GARDEN CINEMA、新宿武蔵野館

21年ぶりに再会にどんな意味があるのか?

かけがえのない人

 海上の油田採掘基地で働くドーソンは、弁護士を名乗る男からかかってきた1本の電話で久しぶりに故郷ルイジアナに戻ることになる。そこで出会ったのは、同じ弁護士からの呼び出しでやはり町に戻っていたアマンダだった。ふたりにとっての恩人タックが亡くなり、その遺産相続人としてふたりが指名されたのだ。ドーソンとアマンダにとって、これは高校卒業以来21年ぶりの再会。高校時代のふたりは、深く愛し合う恋人同士だった。だがある悲劇的な事件が、ふたりを引き裂いてしまったのだ……。資産家の一人娘として愛情に恵まれて育ったアマンダと、犯罪がらみの仕事で生計を立てる貧しい一家で虐待されながら育ったドーソン。ふたりの生い立ちはまるで違ったが、そこに恋が生まれたのは運命だったのかもしれない。家を飛び出してタックの家に転がり込んだドーソンは、アマンダの励ましやタック支援を受けて、とっくに諦めていた大学進学を夢見るようになる。

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向日葵の丘 1983年・夏

8月22日(土)公開予定 品川プリンスシネマ

これが日本版『ニュー・シネマ・パラダイス』?

向日葵の丘 1983・夏

 東京で脚本家の仕事をしている多香子のもとに、ブログを読んだというひとりの女性から1通のメールが届く。それは高校時代のクラスメート、みどりからのものだった。高校時代を過ごした静岡の小さな町。大学進学のため町を離れてから30年、多香子は一度も故郷に戻ったことはない。だがみどりはひとり故郷の町で結婚し、今は病院で余命1年を宣告された病の床にあるという。多香子はみどりに会うため、故郷の町に戻ることを決意する。それは30年前の自分自身に出会う旅、自分を故郷から遠ざけた苦い記憶と向き合う旅でもあった。1983年夏のことだ。映画好きの多香子はみどりと一緒に、8ミリ映画を作ろうとしていた。製作スタッフは、ふたりにエリカを加えた映画研究部。他のクラスメートたちの協力が得られなかったことから、出演するのは親しくしている町の人たち。見よう見まねではじまった映画撮影は、映画完成で大団円を迎えるはずだったが……。

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3泊4日、5時の鐘

9月19日(土)公開予定 新宿K’s cinema

茅ヶ崎の老舗旅館を舞台にした群像劇

3泊4日、5時の鐘

 映画監督の小津安二郎も定宿にしていたという湘南の老舗旅館・茅ヶ崎館に、夏のゼミ合宿のため東京から大学生の一団がやって来る。彼らは考古学科の学生たちで、この夏は近くにある遺跡の発掘作業を手伝うのだ。旅館で彼らを迎えたのは、同じゼミの学生で、今は旅館でアルバイト中の知春。それと入れ替わりにやって来たのは、旅館の長女・理沙の元同僚だった花梨と真紀だ。彼女たちは理沙の結婚披露パーティに出席するため、数日この宿に滞在することになっている。知春は奔放に振る舞う花梨にドギマギし、彼女もそんな知春を面白がって気のあるそぶりを見せる。真紀はそんな花梨の振る舞いが不愉快で怒りをぶつけるが、相手はまるで聞く耳を持たずにのらりくらり。花梨にとって、世界はいつだって自分中心に回っているのだ。ところが宿に合宿している考古学ゼミの教授が大学時代の真紀の恩師でもあることがわかると、真紀はここぞとばかりに張り切り出した……。

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赤い玉、

9月12日(土)公開予定 テアトル新宿、横浜ジャック&ベティ、キネカ大森

男はいつまでオトコでいられるか?

赤い玉、

 映画監督の時田修次は、中年と言うより初老と呼ぶべき年齢になっている。最後に映画を撮ったのは何年前だろう。今は京都の大学で映画作りを教えながら、大学の事務員・大場唯の部屋に入り浸って、新しい映画のための脚本を書いている。新しい映画のための準備をしている時は、自分がまだ映画監督だと言えるような気がするのだ。時田は学生たちに映画撮影の指導をしながら、映画業界志望の若い男たちに映画作りへの「熱さ」を感じられずにイライラする。それに比べれば、女優志望の若い女はまだ獰猛な「オス」のにおいをプンプンさせている。ある日彼は街の本屋で、印象的な女子高生に出会って彼女をつけ回すようになる。その様子は、彼の書く新作の脚本にもそのまま投影されていく。脚本の中で仮に「ゆき」と名付けられた彼女は、深窓の令嬢のようでありながら、ガラス張りのスタジオで官能的なダンスに興じる。時田はいつしか、彼女に深くのめり込んで行く。

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螺旋銀河

9月26日(土)公開予定 ユーロスペース(レイトショー)

わたしは、あなたに、なりたい!

螺旋銀河

 会社勤めをしながらシナリオ教室に通っている澤井綾は、自作のシナリオがラジオドラマとして放送されることが決まった。だが講師は「このままでは放送できない。教室の誰かと組んで書き直せ」と容赦ないダメ出し。自作を他人にいじられたくない綾は、「友人のマンガ家に手伝ってもらいます」とその場しのぎのウソをついた。友人をでっち上げて自分で書き直すつもりだが、講師との打ち合わせにはその友人を連れて行かなければならない。綾は同じ会社にいる目立たない事務員・深田幸子に声をかけ、シナリオの共作者として打ち合わせに出てもらうことにする。だが綾にあこがれの気持ちを抱いている幸子はこの話にやたらと張り切り、綾の思惑を越えてシナリオの内容にもあれこれ「建設的な提案」をするようになる。自分から声をかけておきながら、綾が幸子を疎ましく思うようになるのは当然だった。しかも幸子は、綾の大学時代の恋人と仲の良いいとこ同士だった。

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東京PRウーマン

8月22日(土)公開予定 シネ・リーブル池袋、品川プリンスシネマ、テアトル梅田

新人PRウーマンの奮闘記

東京PRウーマン

 銀行勤めの三崎玲奈は、合コンで知り合ったアパレル会社社長の武藤に一目惚れ。だが彼が「銀行にいい印象がない」と言ったことから、とっさに「PR会社に勤めています」と嘘をついてしまう。玲奈はそのまま銀行を辞めて、実際にPR会社に転職。PRの仕事についてなにも知らない玲奈は、ベテラン社員草壁の下について見習い修行をすることになったが、入社早々ヒット企画を連発して業界内の注目をあびることになった。そんな彼女の人気と運にあやかって、仕事を発注しようという企業も現れる。玲奈の人生は順風満帆に見えたのだが、人は調子に乗っている時ほど大失敗するものだ。自分が担当することになった化粧品メーカーの新商品発表会で、玲奈はゲストの人気タレントを怒らせてしまった。発表会の目玉として招待したタレントが土壇場で会場から去ってしまうという非常事態を前に、玲奈はなすすべもなくただオロオロすることしかできなかったのだが……。

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ロマンス

8月29日(土)公開予定 新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷

大島優子がロマンスカーのアテンダントに

ロマンス

 北條鉢子は新宿と箱根の間を往復するロマンスカーのアテンダントだ。ある日彼女は、アパートの郵便受けに思いがけない相手からの手紙を見つける。それは長く連絡を取っていない母からの手紙だった。鉢子が幼い頃に両親は離婚し、その後は男出入りが激しい母を鉢子は嫌悪していた。列車の中で商品ワゴンから小さな菓子を万引きしようとした中年男を見つけたのは、そんな手紙のせいで鉢子の気持ちが少しいらついているときだ。いつもは穏便に済ませる迷惑客のトラブルだが、今日はつい声を荒げてしまう。駅の事務所に連れて行かれた男は商品代金を払って無罪放免。しかもホームで破り捨てた母からの手紙を、この男がわざわざゴミ箱から拾い上げて読んでいるではないか! 憤る鉢子に対して、その男は突然へんなことを言い出す。「キミのお母さんは死のうとしている。その前にこの箱根に来るつもりなんだ!」。男は鉢子の手を取って、駅の外へと駆け出していた。

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