【お知らせ】銀幕の中のキリスト教

 初の単著「銀幕の中のキリスト教」が、キリスト新聞社から発売になりました。16年前の編著「シネマの宗教美学」(フィルムアート社)と同じく、今回も「映画+キリスト教」がテーマです。

 版元が専門書の出版社なため、一般の書店では手に入りにくいかもしれません。Amazonでも入荷するとすぐ品切れになってしまいます。実店舗で手に取りたい場合は、全国のキリスト教書店(東京なら銀座の教文館、御茶の水のCLC、オアシス新宿西口店など)に並んでいると思います。教文館のネット通販でも購入できます。

ターミネーター:ニュー・フェイト

11月8日(金)公開 全国ロードショー

シリーズ1・2作目の変奏曲

 1998年。新型ターミネーターとの死闘を制して無事に未来を救ったサラとジョンの親子だったが、未来改編前に現代に送り込まれていたターミネーターは、与えられた命令を遂行するためジョンを射殺する。それから22年。人類と機械の戦場となった未来から、またもや人間とターミネーターが現代に送り込まれてくる。液状金属で自由自在に姿を変えられる新型ターミネーターREV-9と、ターミネーターとの戦いのために全身を強化したサイバネティクス戦士グレイスだ。ターミネーターが追うのはダニー・ラモスというメキシコ人女性。グレイスは彼女を守るのが使命だ。だがREV-9の圧倒的な戦闘力の前に、グレイスも防戦一方。そこに登場したのが、重武装したサラ・コナーだった。彼女は何者かに送られて来たメッセージに導かれて来たのだ。その謎を探るため、3人はメッセージの発信元へ。だがそこで待っていたのは、ジョンを殺したターミネーターだった。

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NO SMOKING

11月1日(金)公開 シネスイッチ銀座、ユーロスペースほか全国順次公開

細野晴臣の過去と現在

 ミュージシャンの細野晴臣は1947年東京生まれ。幼い頃は米軍占領時代で、母に背負われて銀座に出かけたとき、米兵にチョコレートをもらったことがあるという。戦争は終わって平和な時代が来ていたが、あちこちにまだ戦争の爪痕が残っていた。そんな中で細野は、戦後大量に流れ込んできたアメリカのポピュラー音楽を聴いて育つ。ドラムのイントロが高らかに響き渡るベニー・グッドマンの「シング・シング・シング」や、ハリウッド映画のサウンドトラック。それらは今でも、彼の音楽のルーツのひとつになっている。大学時代にバンド活動を始め、周囲にはさまざまな人間が集まってくる。エイプリル・フールでメジャーデビューした後、大滝詠一、松本隆、鈴木茂とはっぴいえんどを結成。3枚のアルバムを発表した後、ソロ活動をスタートした。この映画は2018年から翌年までのワールドツアーの様子を軸に、細野晴臣の過去と現在を綴ったドキュメンタリーだ。

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キング

10月25日(金)公開 アップリンク渋谷・吉祥寺にて公開

シェイクスピアの世界を大胆に翻案

 15世紀初頭のイギリス。イングランド王ヘンリー4世の嫡男ハル王子は父親と対立して宮廷を離れ、放蕩無頼の生活に身を落としていた。病身の父王は王子を廃嫡し、弟トマスに王位を継がせると宣言。しかしトマスはウェールズとの戦いで命を落とし、ハル王子は宮廷に呼び戻されて、父王の死後ヘンリー5世として即位する。だが宮廷内にはこれを好ましく思わない者たちも多い。新王に対する暗殺計画は未然に防ぐことができたが、フランスも暗殺者を送り込んで王位を脅かす。ヘンリーはフランス出兵を決めたが、信頼できる側近がいないのは大きな弱味。彼は放蕩時代の仲間だったフォルスタッフを宮廷に召し出して要職に就けたものの、こうした人事を好ましく思わない者たちの心はむしろ離れて行く。フランスに攻め込んだイングランド軍は上陸地点に近い城を落とすと、さらに内陸へと進軍。しかしその行く手には、フランス王太子ルイが率いる大軍が待ち構えていた。

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今さら言えない小さな秘密

9月14日(金)公開 シネスイッチ銀座ほか全国順次公開

この愛はニセモノなのかもしれない

 ラウル・タビュランは、南仏プロヴァンスの山間にある小さな村で自転車修理店を営んでいる。その腕はピカイチで、持ち込まれた自転車のどんな不調もたちどころに見抜き、即座に直してしまうのだ。村人たちは彼を尊敬し、自転車のことを「タビュラン」と呼ぶほどだ。だがラウルには深刻な悩みがあった。彼は家族にも話せない秘密を抱えていたのだ。これまで何とかそれを隠しおおせてきたが、あることがきっかけでそれが白日の下にさらされそうになっている。その秘密とは、彼が自転車に乗れないということ。子供の頃から何度も挑戦したが、どうしてもバランスがとれない。にもかかわらず、村人も家族もなぜかラウルが自転車の名手だと思っている。これまでは上手くごまかしてきたのだが、村に有名な写真家のフィグーニュがやって来て、ラウルが自転車に乗っている姿を取りたいと言いだしたから絶体絶命。しかもこの話に、家族もすっかり乗り気になってしまった!

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CLIMAX クライマックス

11月1日(金)公開 ヒューマントラストシネマ渋谷ほか公開

こうしてパーティ会場は地獄に変貌した!

 オーディションで集められた若いダンサーたちが、海外公演に向けた合宿練習の打ち上げパーティを始める。合宿所の広いダンスフロアがパーティ会場になり、この日は少し羽目をはずしてもおとがめなし。だがダンサーたちの様子が少しずつおかしくなる。誰しも感情と行動に歯止めがきかなくなり、ささくれ立った言葉と暴力が交錯する事態に。誰かが飲み物にドラッグを入れたらしい。でも誰が、何のために? ドラッグで抑制が効かなくなった若者たちは、ヒステリックな声上げながら飲み物に手を出さなかった仲間が怪しいと決めつける。だがそれで問題が解決するわけではない。アルコールとドラッグで酩酊状態になった若者たちが生み出すカオス。その中で女性マネージャーの連れて来た幼い子供が、ドラッグ入りの飲み物に口を付けてしまう。母親は子供を安全な場所に隔離するため配電室に閉じ込めるが、これがさらなる事態の悪化を招くことになってしまうのだ……。

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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト

9月27日(金)公開予定 丸の内ピカデリー、新宿ピカデリーほか全国順次ロードショー

レオーネが描くフロンティアの消滅

 19世紀末のアメリカ西部。乗降客もいない砂漠の中の小さな鉄道駅に、ハモニカを手にしたひとりの男が降り立つ。彼は待ち伏せする3人の男たちをあっという間に撃ち倒すと、宿敵フランクを探して町を目指す。同じ頃、砂漠地帯で暮らすマクベイン一家の人たちは、ニューオリンズから新しい花嫁を迎えるための準備を進めていた。しかしそこに現れた殺し屋たちが、一家を皆殺しにして立ち去る。花嫁ジルを出迎えたのは幼い子供も含めた一家4人の死体だった。なぜ彼らは殺されなければならなかったのか。ジルは家族のいない家に留まって、その理由を探し始める。そこにやって来たのは、賞金首のお尋ね者シャイアンだ。彼は一家殺しの容疑者として逃亡中だったが、自分がこの件については潔白であることを伝えて立ち去る。一家を殺したのは、鉄道王のモートンに雇われたフランクと彼の手下たちだった。こうしてジルの周囲には、ならず者のガンマンが集まってくる。

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去年マリエンバートで

10月25日(金)公開 YEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次公開

過去の迷宮に捕らえられた人々

 周囲から隔絶された広大なリゾートホテル。そこに集まるのは、夜会服で着飾った富裕層の人々。彼らは取り立てて何をするでもなく、演劇を観たり、ゲームをしたり、他愛のないおしゃべりをして時間を過ごしている。そのホテルを訪れた男Xは、美しい女Aと出会い恋をする。だが翌年同じホテルを訪れたXは、他人行儀な振る舞いを見せるAに戸惑うばかり。XはAに向かって、ふたりの間に何が起きたのかを語っていく。少しずつ、過去を思いだしていく女。だがその記憶は、男の記憶とどこかですれ違う。ふたりの間に、一体何が起きたというのか。ふたりの間に立ちふさがるのは、Aの夫であるM。彼は妻とXの関係を知ってか知らずか、ゲーム版の上の勝負でXをさんざんに打ち負かす。Xは何度もMに挑むがまるで歯が立たない。XはAをホテルの庭園に連れ出した。夜の庭園には、ふたりの他に誰もいない。恋人たちの回想は、いよいよこの問題の核心へと迫っていく。

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