マダム・フローレンス! 夢見るふたり

12月1日(木)公開 TOHOシネマズ日劇ほか全国ロードショー

NY音楽界を支えた歌姫は絶世のオンチだった!

マダム・フローレンス! 夢見るふたり

 1944年のニューヨーク社交界で、音楽家たちのパトロンとして知られる資産家フローレンス・フォスター・ジェンキンス。定期的に音楽愛好者たちのためのコンサートを主催し、演奏家や歌手たちのために気前よく資金を援助する彼女自身にも、かつてはプロの音楽家になりたいという夢があった。だが家庭の事情や彼女自身の身に起きた不幸な出来事によって、若くしてその夢は断たれてしまったのだ。そんな彼女を献身的に支えるのは、夫のシンクレア・ベイフィールド。音楽をこよなく愛する彼女が本格的な歌のレッスンを受けたいと言いだしたときも、彼は音楽教師や専属の伴奏ピアニストを捜し出すなど精一杯の支援をする。だがひとつ大きな問題があった。フローレンスの歌は、聴くに堪えないウルトラ音痴なのだ。しかもそのことに、本人はまったく気づいていない。にもかかわらず彼女は得意気に歌を録音し、カーネギーホールで独唱会を開くことを決めてしまう。

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君の名は。

8月26日(金)公開 全国ロードショー

名前すら忘れてしまった運命の人

君の名は。

 夢を見て目覚めた朝。最初は夢の内容を覚えているのに、じきにみんな忘れてしまう……。山に囲まれた辺鄙な田舎町に住む女子高生・宮水三葉は、ある日とても奇妙な夢を見た。三葉は夢の中で東京の男子高校生・立花瀧になっているのだ。憧れていた東京の暮らし。しかし夢の中のフワフワした非現実感はなく、その夢はありとあらゆる点が細部までリアルだった。そんな夢を何度か観た後、三葉はそれが夢ではないことを確信する。自分は何日かに一度、東京の男子高校生と意識が入れ替わっているのだ。このことには相手も気づいていた。三葉と瀧は互いに協定を結び、この不思議な現象を楽しみ始める。そしてこの奇妙な日々の積み重ねの中で、ふたりは互いを特別な人として意識するようになっていた。だが互いがそんな気持ちを抱き始めたとき、体と意識の入れ替わりは突然ストップしてしまう。瀧は意を決して三葉に直接電話してみるが、電話の先には誰も出なかった。

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この世界の片隅に

11月12日(土)公開予定 テアトル新宿ほか全国ロードショー

それでも人は今日を生きるのだ

この世界の片隅に

 昭和19年2月。広島の江波で生まれ育った浦野すずは、呉の北條周作に嫁いで北條すずになった。物資や食糧の不足はあっても、この時点で戦争はまだどこか遠い世界の出来事だ。警報は鳴っても空襲はない。それより問題なのは、北條家に義姉の径子が幼い娘の晴海を連れて出戻って来たこと。はっきりとした物言いの径子と、おっとり型のすずは性格がまるで正反対。径子はことあるごとに、すずにイヤミめいた口のきき方をする。だがこうした日常の些事も、逼迫してくる戦時下の生活の中に埋もれていくのだ。呉の上空に飛来した敵機が、気まぐれな機銃掃射をして行くのに似ている。花街の遊女リンとの出会いや、幼なじみの水兵・哲との再会も、そうした些細な日常の一コマに過ぎない。しかし昭和20年春からは、軍港である呉もしばしばひどい空襲を受けることになる。5月には、夫の周作が海軍軍人に任官。義父の円太郎は、広海軍工廠の空襲で行方不明になった。

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フィクション。

公開未定

動機は小説のネタ作りだった

fiksi

 資産家の一人娘として何不自由のない暮らしをしているアリシャは、自分の生活がすべて父の監視下にあることにウンザリ。彼女は部屋の窓から見下ろすプールを、見慣れぬ青年が掃除していることに気づく。アリシャは彼に興味を持ち、その興味はやがて強い執着へと変わっていった。プール掃除が終わって彼がやって来なくなると、アリシャは彼が恋人と暮らすアパートの隣の部屋に住み始める。彼の名はバリ。小説家志望で、アパートの他の部屋に住む人たちをモデルにした小説を書いているのだという。だが書きかけの小説は、どれも途中でストップしたままだ。人々の暮らしが続いているのに、小説だけを完結させることがどうしてもできない。バリに好意を持つアリシャは、彼の小説執筆に協力しようとする。モデルになった人たちの人生が未完で小説も未完なら、小説を完結させるためにモデルの人生を完結させればいい……。アパートでは住民の連続不審死がはじまる。

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サーミ・ブラッド

日本公開予定

少女が故郷を捨てた理由

サーミ・ブラッド

 スウェーデンの都会で暮らす年老いたクリスティーナのもとに、妹のニェンナが亡くなったという知らせが届く。クリスティーナは子供たちに後押しされて、気乗りしないまま数十年ぶりに故郷であるサーミの村に戻る。彼女が村を離れたのは、まだ十代の頃だった。彼女はそれ以来サーミ人のエレ・マリャという名を捨て、クリスティーナとして生きてきたのだ……。1930年代。14歳のエレ・マリャは妹や他の子供たちと一緒に故郷の村を出ると、スウェーデン人教師が教える寄宿学校に入学した。学んだのはスウェーデン語の会話と読み書き、歴史、地理、キリスト教など、スウェーデン人としての基礎科目だ。エレ・マリャの成績は優秀で、教師も彼女を大いに気に入り目をかけるようになる。だが彼女はやがて思い知らされる。サーミ人はスウェーデン人に比べて野蛮で知能の劣る下等人種と見られており、どれだけ勉強しても上級の学校には進学できない決まりだった。

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アズミ・ハルコは行方不明

12月3日(土)公開予定 新宿武蔵野館ほか全国ロードショー

女にとって、とかくこの世は生きにくい

アズミ・ハルコは行方不明

 とある地方都市。愛菜は成人式で再会したユキオと何となく付き合い出すが、彼の方は愛菜を都合のいいセフレ程度にしか考えていないらしい。ふたりはレンタルビデオ屋で元同級生の学と再会して一緒に行動するようになり、たまたま見たグラフィックアートのドキュメンタリー映画に感化されて町中にスプレーで落書きをはじめる。覆面アーティスト集団「キルロイ」の登場だ。やがて彼らは交番に貼ってある行方不明者のチラシをもとに、ステンシルを使った大量のグラフィックアートで街を埋め尽くしていく。……同じ町の別の時間。安曇春子はもう間もなく30歳が見えてきた27歳。勤め先の会社では社長と専務のセクハラ発言がひどいが、春子はそれを苦笑してやり過ごすしかない。手取り給与は13万ちょっと。会社は若い女事務員を雇っては、安い給与で使い捨てにしているのだ。彼女は近くに住む幼なじみの曽我と、ときどき会ってセックスする関係になっていた。

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浮き草たち

公開未定

なくしたカバンを取り戻せ!

浮き草たち

 ダニーは小さな食堂で働く真面目で親孝行な青年だが、警察に捕まった兄からいわくありげなカバンの受け渡し役を押しつけられてしまう。カバンの中身は秘密。何やらきな臭い気配だ。「1500ドルの報酬は無駄にできねぇ!」と兄は興奮するが、カバンの受け渡しだけで高額な報酬というのがますます怪しいではない。しかし「お兄ちゃんの言うことを聞きなさい」と母に言われれば、逆らうことはできない。ダニーは気の進まない仕事に手を貸すことになり、運転手役のエリーという若い女と合流して現場に向かう。だがダニーはここで、とんでもない大失態をやらかしてしまった。カバンを交換する相手を間違えて、大事な荷物を無関係な女に渡してしまったのだ。慌てて現場に戻ったときには、既にその女は姿を消していた。このままでは報酬が手にできないだけでなく、自分がどんな制裁を受けるか知れたものではない。ダニーとエリーは消えたカバンの手掛かりを追う。

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