七人の侍《4Kデジタルリマスター版》

6月8日(金)公開 午前十時の映画祭

フォルマリズムの果てのリアリズム

 戦国時代末期。野武士の略奪に苦しめられた山間の小さな村は、侍を雇って野武士と戦うことを決意する。だが侍に払う金はない。報酬はただ、白い飯を腹一杯食わせるだけだ。農民の窮状を聞いて、7人の浪人が村に馳せ参じることになった。浪人のリーダーである勘兵衛は、農民たちを指揮して村の防備を固め、あちこち柵や堀を巡らして要塞化する。やがて麦の刈り取りが終わり、いよいよ野武士たちがやって来た。侍と農民たちは勘兵衛の巧みな戦略で野武士を次々に撃退するが、その間に侍にも少なからず犠牲が生じる。侍と農民たちは疲れ果て、野武士も追い詰められている。このまま長い戦いは難しい。短期決戦しかない。おそらくそれは、明日の朝に迫っている。そして夜明け。決死の覚悟で村に襲いかかってくる野武士たち相手に、侍や農民たちも最後の力を振り絞って戦い抜く。やがて野武士は全滅。しかし7人いた侍たちのうち、生き残ったのは3人だけだった。

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バーフバリ 王の凱旋〈完全版〉

6月1日(金)公開 新宿ピカデリーほか全国ロードショー

観る者を引き込む胸熱スペクタクル!

 国母シヴァガミによって次期国王に指名されたアマレンドラ・バーフバリは、戴冠式前に見聞を広めるため旅に出る。従者は奴隷剣士カッタッパだ。旅の途中、身分の若い貴婦人を中心とする一行が盗賊に襲われるのを見てとっさに助けようとしたバーフバリだったが、その貴婦人が剣を抜いて盗賊を撃退する様子を見て目を丸くする。彼女はクンタラ王国の王女デーヴァセーナ。すっかり彼女を気に入ったバーフバリは、偽名を名乗って身分も偽り、デーヴァセーナの従兄弟クマラ・ヴァルマの使用人として王宮に入り込んだ。一方、王位継承の機会を逃したバラーラデーヴァは、バーフバリがクンタラ王国の王女に恋をしているという情報をつかんである計画を思いついた。それは母のシヴァガミを通じて、デーヴァセーナを自分の妃にすることだ。バーフバリとデーヴァセーナの関係を知らないシヴァガミは、我が子の願いを叶えるためクンタラ王国に求婚の使者を送るのだった。

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万引き家族

6月8日(金)公開予定 TOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国ロードショー

是枝裕和監督のカンヌ映画祭パルムドール受賞作

 路地の隙間から、東京スカイツリーが見える東京下町。高層マンションと昔ながらの小さな平屋が混在するこの地域に、柴田家の人々は肩寄せ合うようにして暮らしている。年金暮らしの祖母を中心に、小さな家に夫婦と息子、叔母が同居する暮らし。だがこの一家には、あまり大っぴらには言えない秘密の稼業がある。彼らは生活費の不足を、万引きで補っているのだ。ある冬の夜、近くのスーパーでその日の「仕事」を済ませた帰り道のこと。父の治と息子の祥太は、近くのアパートの廊下で一人震えている幼い女の子を見つける。「コロッケ食べるかい?」と声をかけた治は、結局その子を自分たちの家に連れて帰ってしまう。「ゆり」と名乗ったその少女には、体中に虐待のあとがあった。翌日女の子を元のアパートに連れ帰ろうとした夫婦は、部屋から聞こえてくる「子供なんて欲しくなかった」という怒鳴り声を聞いて、どうしてもゆりを帰すことができなくなってしまう。

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オール・ザット・ジャズ

5月25日(金)公開 午前十時の映画祭9

「死」をテーマにしたミュージカル映画

 演出家で振付師、さらに映画監督でもあるジョー・ギデオン。才能がひしめき合うブロードウェイで、誰しもが認めるナンバーワンの才能と実績の持ち主だ。現在は新しいショーの準備が始まったのに加え、映画の編集は大詰めに差し掛かっている。まったく気の休まる暇が無い多忙な日々。それでも彼は毎朝鏡に向かい、自分を鼓舞するように「ショータイムだよ、皆さん」と言ってから稽古場や編集室に出かける。(そして女遊びも欠かさない。)だがショーの準備が半ばに差し掛かった頃、長年の不摂生がたたってジョーは倒れてしまう。医者の診断は絶対安静。しかしジョーは見舞に来る友人たちを相手に、毎日のようにバカ騒ぎを続けるのだ。彼は自分が不死身だとでも思っているのだろうか? そうではない。彼は誰よりも自分の死を強く意識している。長年に渡り、死は彼にとって最良の友であり、同時に敵でもあった。彼は今、目の前に迫ってくる死に怯えているのだ。

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フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法

 5月12日(土)公開 新宿バルト9ほか全国順次公開

子供にとって安モーテルが全世界だった!

 フロリダのウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートは、ディズニー社が経営する世界最大のアミューズメントリゾート施設だ。だが世界各地から来る観光客を迎える「夢の国」の外側には、廃墟と化した別荘地や商業施設、安モーテルがひしめき合っている。6歳の少女ムーニーは、母のヘイリーとそんな安モーテルのひとつで暮らしている。同じモーテルには似たような境遇の家族が長期滞在しているが、ヘイリーは仕事を失って週払いの部屋代にも窮する状態。それでもムーニーと仲間の子供たちの夏休みは、毎日が驚きと冒険に満ちている。モーテルの雇われ支配人ボビーは、支配人としての職分と限界を十分に自覚した中で、モーテルで暮らす人たちや子供たちを見守っている。貧乏人の寄り合い所帯であるモーテルがかろうじて安全と秩序を保っているのは、彼の働きによるところが大きいのだ。だがムーニーとヘイリー母娘の暮らしは、さらに過酷なものになっていく。

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ミッドナイト・サン 〜タイヨウのうた〜

5月11日(金)公開 新宿ピカデリーほか全国ロードショー

日本の難病青春メロドラマをアメリカでリメイク

 17歳のケイティは幼い頃に母を亡くし、今は父と二人暮らし。彼女には母の記憶も、太陽の下で過ごした記憶もない。彼女は色素性乾皮症(XP)という難病のため、太陽の光に当たることができないのだ。家から出るのは日が暮れてからで、今は夜中の駅で自作の曲を通行人に歌って聞かせるのがケイティにとって掛け替えのない時間になっている。ある晩、歌っている彼女の前に、チャーリーという同い年の少年が現れる。有望な水泳選手でありながらケガで大学の奨学金を棒に振った彼は、ケイティを一目見て心を奪われてしまう。だがケイティにとっても、チャーリーは10年以上前から窓越しに姿を追う片思いの相手だった。ふたりはすぐに交際を始めるが、ケイティは彼に自分の病気について話すことができなかった。心配する父や友人に、「病気の話をすれば彼は病人と付き合うことになってしまう。今は病気と無関係な私を見てほしい」と言うケイティだったが……。

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のみとり侍

5月18日(金)公開 全国ロードショー

丁寧な作りでクスクス笑わせる艶笑時代劇

 江戸時代中期。俗に言う田沼時代。越後長岡藩士の小林寛之進は些細なことで藩主の逆鱗に触れ、「ネコのノミとりでもしておれ!」と江戸の町に放り出される。お役後免になったとは言え、藩主の命令とあらば従ってみせるのが武士の意地。そのままノミとり稼業に足を踏み入れる寛之進を待っていたのは、ネコのノミとりとは表向き、裏では女相手に体を売る売笑夫としての生活だった。だが買春稼業はサービス業。色事に疎い寛之進は最初の客にいきなり「ヘタクソ」と言われて、真面目で研究熱心な性分に火が付いた。たまたま町で知り合ったのが、小間物問屋の入り婿だが浮気ぐせが直らぬ清兵衛という男。彼に色事の指南をあおぎ、寛之進はめきめきと房事の腕を上げていく。最初に寛之進をヘタクソ呼ばわりしたおみねも、すっかり馴染みになってメロメロだ。だが江戸城内では田沼意次が失脚。大目に見られていたノミとり業も、厳しい取り締まりの対象になった……。

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