約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯

約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯

冤罪の疑い濃厚な実在の死刑囚を仲代達矢が熱演

 河川敷を歩く一組の家族。先を急ぐふたりの子供と、その後を追いながら子供たちの成長に目を細める夫婦。だがその平和な景色は霧の中にかき消される。これは夢だ。目を覚ましたのは奥西勝。86歳。名古屋拘置所に収監されている確定死刑囚だ。昭和36年、三重県名張市の小集落で開かれた懇親会で、ぶどう酒を飲んだ15人の女性が急性中毒を起こし、そのうち5人が死亡する事件が起きた。名張毒ぶどう酒事件だ。この懇親会に出席していた奥西は事件で妻を失うが、事件の6日後に逮捕されて犯行を自供。だが裁判では一貫して無罪を主張し、一審は無罪判決。しかし検察控訴の高裁では逆転有罪で死刑判決を下され、昭和47年に最高裁でも死刑が確定した。状況証拠のみで物的証拠がほとんどない事件。しかも証人たちの証言も二転三転している。「これは冤罪事件ではないのか?」。人権団体や弁護士たちが動き出し、再審に向けての長い長い戦いが始まった……。

2013年2月16日(土)公開 ユーロスペース

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名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の半世紀
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