ルパン三世

8月30日(土)公開 TOHOシネマズ日劇ほか全国ロードショー

人気アニメ「ルパン三世」禁断の実写化!

ルパン三世

 シンガポールの美術館から1枚のメダルが盗み出された。それは世界的な強盗グループ「ザ・ワークス」の総裁トーマス・ドーソンが、次期総裁を指名するため仕掛けたレースだった。強盗たちが集まるパーティ会場で祝杯を上げるのは峰不二子。一度はメダルを手にしたルパン三世も、どういうわけか彼女には弱い。ドーソンは集まったメンバーたちに、古代エジプトの首飾りを披露する。これはクレオパトラが身に着けていたクリムゾン・ハートの片割れ。ここに失われた深紅のルビーが加われば、首飾りは完成するのだ。だが突然ドーソンの屋敷は武装集団の襲撃を受け、ドーソンは死亡、「ザ・ワークス」の仲間だったはずのマイケル・リーが首飾りを奪って逃走した。ルパンは首飾りを取り戻すため、「ザ・ワークス」のメンバーだった次元大介、峰不二子、ピエール、石川五右衛門らと組んでマイケルを追う。1年後、マイケルは深紅のルビーを手に入れるため姿を現した。

 モンキー・パンチ原作の「ルパン三世」を、北村龍平監督が実写映画化した作品。アニメ版に熱心なファンが多い作品なので、今回はアニメの設定を踏まえず、モンキー・パンチの原作から新たにキャラクターやストーリーを作ったことになっている。だが映画を観れば、これが過去のアニメ版に多くの負っていることは一目瞭然だ。ルパンと次元が黄色のルノー500で金を奪って逃げるシーンは当然『ルパン三世 カリオストロの城』からの引用だろうし、ルパンは劇中で基本的に赤いジャケットなのだが、ラストシーンではご丁寧にも緑色のジャケットに着替えている。小栗旬演じるルパン三世が「ふ~じこちゃ~ん」と甘ったれた声を出すのは、もちろんアニメ版の模倣に他ならない。映画はこうして一方ではアニメ版に強く依拠しつつ、キャラクターの設定や相互の関係性を大胆にアレンジしてしまう。このあたりがいかにもチグハグで未整理。映画全体が混乱しているのだ。

 北村龍平の演出は一言で言えば「下手くそ」だ。導入部の美術館襲撃シーンから既にもたついるし、その後も物語の背景や設定を台詞で解説する部分が多すぎる。例えばクリムゾン・ハートの来歴についてドーソンが語る場面や、銭形がルパン一味について説明する場面などだ。ここでは説明に何の工夫もなく、登場人物がだらだらしゃべるだけなのだ。北村監督の売りであったはずのアクションシーンも、まるでバカバカしくて見ていられない。ドーソン邸が襲撃される場面では、武装グループに対してガードマンたちがほとんど銃を撃ち返さないままバタバタ倒されていく。クライマックスのジ・アーク襲撃シーンでは、逆にルパンたちの側には一発も弾が当たらず、敵だけがバタバタ倒されていく。ジ・アーク周辺は地雷原になっているはずだが、終盤ではそれがまったく忘れ去られてみんな平気で上を歩き回っている。中途半端なリアリズムが、かえって映画のアラを暴き出す。

配給:東宝
2014年|2時間13分|日本|カラー|シネマスコープ
公式HP:http://www.lupin-the-movie.jp/
IMDb:http://www.imdb.com/title/tt0862748/

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