下町に潜入した北朝鮮工作員たち
北朝鮮の精鋭5446特殊部隊のエリート戦士ウォン・リュファンは、スパイとして韓国に潜入し、新たな指令が下されるまで身を隠している。世を忍ぶ仮の姿は、低所得者が多い下町地区で暮らす知的障害のある青年トング。近所の子供たちに石を投げられながら、彼は2年間も本国からの命令を待っている。彼が唯一心を許せる相手は、同じ地区に潜入して16年も郵便配達として働く秘密工作員のサングだけ。彼はすっかり韓国の暮らしに馴染んでしまっているが、こんなことでいざという時に祖国のために働けるのか? そんな時、リュファンの前に5446部隊でライバルだったリ・ヘランが現れる。彼は「韓国でロックミュージシャンになる」という使命を帯びて、同じ地区に潜入してきた。「祖国は俺たちが南朝鮮で堕落し裏切ると思って相互監視させるのさ」とヘランは笑う。だがやがてリュファンの前に本国からの監視員が現れ、ヘランの言葉を裏付けることになる。