ニューヨークの巴里夫(パリジャン)

12月公開予定 Bunkamuraル・シネマ

セドリック・クラピッシュの「青春三部作」完結編

ニューヨークの巴里夫(パリジャン)

 フランスでまずまずの実績を上げている小説家のグザヴィエは、10年連れ添った妻ウェンディから「ニューヨークで好きな人ができたので別れてほしい」とに突然切り出された。ほんの少し前まで人もうらやむ似合いの夫婦だったのに、女の変わり身には驚くばかり。だが逃げた女房に未練はない。問題は彼女が連れて出た子供たちなのだ。新恋人と暮らすためニューヨークに引っ越した彼女に同行した子供たちを追って、グザヴィエもニューヨークへ。そこには昔から親しいレズビアンの友人イザベルも住んでいる。(ついでに言えば、彼女は人工授精でグザヴィエの子供を妊娠中だ。)彼女が恋人と暮らす部屋に居候しながら、まずはじめたのは部屋探しと職探し。部屋は中華街にそこそこの物件を見つけ、公園で知り合ったパパ友に仕事を紹介され、次に必要なのはアメリカの就労ビザ。手っとり早いのはアメリカ人と結婚することなのだが、彼にはそのチャンスがやってくる。

 『スパニッシュ・アパートメント』(2002)と『ロシアン・ドールズ』(2005)に続く、グザヴィエ・ルソーを主人公にしたシリーズの最新作。監督・脚本のセドリック・クラピッシュ、主人公グザヴィエ役のロマン・デュリス、マルティーヌ役のオドレイ・トトゥ、ウェンディ役のケリー・ライリー、イザベル役のセシル・ドゥ・フランスなどのメンバーが勢揃い。僕はクラピッシュ監督の初期作品から『パリの確率』(1999)まではだいたい観ているのだが、『スパニッシュ・アパートメント』以降の映画がまったくお留守になっていて、じつはこのシリーズを観るのはこの映画が初めて。しかし前作から10年後の話になっていることもあってか、それによって理解できない話というものはなく、いきなりこの映画を観ても十分に楽しめた。もちろん前2作を観た方が各登場人物に対する理解は深まるのだろうが、それは今度時間がある時にDVDを借りようと思う。

 同じ監督主演コンビでひとつのキャラクターの成長を追いかけていく作品と言えば、フランソワ・トリュフォー監督が『大人は判ってくれない』(1959)からスタートさせたアントワーヌ・ドワネルものの5作品が有名。ドワネルものは20年にわたるトリュフォーのライフワークだったが、グザヴィエが主人公の本シリーズが今後も継続するかどうかはまだわからない。ただ彼らが10年後にどうなっているのかは、ちょっと観てみたい気もする。青春の尻尾を40歳になるまで引きずった彼らが、思春期の子供たちを相手に右往左往する様子が観てみたいのだ。

 原題は「中国のパズル」という意味だが、これは「スペインの宿」と「ロシアの人形」というタイトルのつながりを踏まえたものだろう。別居や離婚という結構シリアスな内容の映画だが、全体の描写はユーモアたっぷりで、ときには吹き出してしまうほどだった。終盤のドタバタには大いに笑わせてもらいました。

(原題:Casse-tête chinois)

京橋テアトル試写室にて
配給:彩プロ 宣伝:ミモザフィルム パブリシティ:ブラウニー
2013年|1時間57分|フランス、アメリカ、ベルギー|カラー|アメリカンビスタ
公式HP: http://www.nyparisian.ayapro.ne.jp
IMDb: http://www.imdb.com/title/tt1937118/

スパニッシュ・アパートメント [DVD]
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン (2010-06-25)
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