くるみ割り人形

11月29日(土)公開予定 新宿ピカデリーほか全国ロードショー

1979年の人形アニメを新たにリミックス!

くるみ割り人形

 夢見がちな少女クララは知り合いのおじさんからくるみ割り人形をもらい、その夜はベッドの中で抱いて寝ることにした。だが夜中に目を覚ますと、ネズミたちが人形を引きずってどこかに持ち去ろうとしているではないか。後を追ったクララはネズミの女王マウゼリンクス夫人に脅されるが、そこで剣を抜いて戦うくるみ割り人形に救われる。だが翌朝目を覚ますと、あの人形はどこにもない。クララは人形を探して大時計の奥に入り込み、そこから人形たちの国へと迷いこむ。そこでは自分と瓜二つのマリー姫が、マウゼリンクス夫人のかけた呪いでネズミの姿になって眠り続けていた。この呪いを解くには、夫人の持つクラカトウクのくるみを割らねばならない。クララはマリー姫を守る青年将校フランツや城の兵士たちと協力して夫人を倒し、くるみを割ることに成功した。だが夫人は死の間際にフランツに最後の魔法をかけ、彼をくるみ割り人形の姿に変えてしまうのだった。

 チャイコフスキーのバレエで有名な「くるみ割り人形」はこれまでに何度も映画化されているのだが、この映画は少々変わった成り立ちで作られている。僕自身は未見なのだが、まずサンリオが1979年に製作した同名の人形アニメがあるのだ。企画・脚本はサンリオの創業社長である辻信太郎。監督は中村武雄。ボイスキャストは杉田かおる、志垣太郎、西村晃、益田喜頓といった、かなり豪華なメンバーが集められた。今回の映画ではそのフィルムをデジタルスキャンして3D処理した上で、ボイスキャストや音楽を一新し、新たなアニメーションパートを加えるなどして、新しい映画に作りなおしている。オリジナル版の上映時間は95分だが、今回の映画は80分になっている。新しいボイスキャストは、有村架純、松坂桃李、広末涼子、市村正親、藤井隆など。監督はアートディレクターでアーティストの増田セバスチャン。テーマ曲をきゃりーぱみゅぱみゅが歌っている。

 映画としてはとにかく「立派」なものだと思う。人形アニメが持つ映像の密度は、まだまだCGアニメの手が届かない高みにあることがわかるのだ。もちろん人形アニメ特有のギクシャクした動きを、「アニメーションとしての粗さ」と考える人はそれとは別の意見になる可能性もある。だが僕はこうした手作業にいよって生じる「ノイズ」こそが、作品世界の充実度を上げていると思う。ヤン・シュヴァンクマイエルのアニメがやたらと滑らかに動いたら、その時点で彼の作品の魅力の大半が失われてしまうのと同じだ。人手と時間のかかる人形アニメは、今後日本では作りにくい状況になるかもしれない。古い映画をこのような形でリニューアルするのは、試みとしては面白いと思う。これを観ればオリジナル版も観たくなることうけあいだ。幸いなことに、オリジナル版はDVDやBlu-rayが発売されている。どうせならオリジナル版も一部劇場で特別上映すればいいのに。

SPE試写室にて
配給:アスミック・エース 宣伝協力:マンハッタンピープル、bronco、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
2014年|1時間20分|日本|カラー|ヴィスタサイズ
公式HP: http://kurumiwari-movie.com
IMDb:

くるみ割り人形 [Blu-ray]
くるみ割り人形 [Blu-ray]

posted with amazlet at 14.10.10
サンリオ (2013-07-23)
売り上げランキング: 19,428

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中