チェイス!

12月5日(金)公開予定 TOHOシネマズスカラ座/みゆき座ほか全国ロードショー

インド人の銀行強盗がシカゴの街で大胆不敵な大暴れ!

チェイス!

 1990年のシカゴ。銀行による非情な資金引き上げを苦にして、インドサーカスの団長が自殺した。まだあどけない表情を残す団長の息子は父を追い詰めた銀行を恨み、いつの日か彼らに復讐することを決意するのだった。それから20数年がたった現代のシカゴで、大胆な手口で銀行を襲って大金を奪う事件が続発していた。現場から逃走する犯人はいつもあっと驚く奇抜な方法で包囲網を抜け出し、警官たちを煙に巻いてしまう。まるで奇術かサーカスだ。現場に残されたヒンディー語のサインを手がかりに、シカゴ警察はインドから敏腕刑事を招くことになる。インド人刑事のジャイは、同時期にシカゴで開催の準備をしているインドサーカスの代表サーヒルを訪ね、捜査への協力を依頼した。だがそのサーヒルこそ銀行強盗の犯人。ジャイは最初からサーヒルを重要な容疑者だと目星をつけ、彼に接近していたのだ。かくして、インド人大泥棒とインド人刑事の対決が始まる。

 インド映画の大スター、アーミル・カーン主演のアクション・エンタテインメント作品。インド公開版は2時間52分だったようだが、日本で公開されるのは2時間31分のインターナショナル版だ。インドの大長編映画は海外上映で短縮する際、歌や踊りのミュージカルシーンをカットしてしまう例が多い。だがこの映画では歌や踊りもきちんと残っているので(何曲かカットしているのかもしれないけど)、豪華絢爛なミュージカルを期待している人にもちゃんと楽しめるはずだ。映画の見どころはミュージカル場面と、劇中何度も出てくるスケールの大きなアクションシーン。邦題の『チェイス!』からもわかるとおり、これはカーチェイスが大きな見せ場になっている映画なのだ。インド映画でありながら物語の舞台はシカゴ。ハリウッドの大作映画で撮影協力に慣れているシカゴ市の協力を得て、スリル満点のカースタントが次々に繰り出される。ものすごいボリューム感だ。

 誰にでもわかりやすい映画の売りはミュージカルやアクションだが、この映画で一番見応えがあるのは主演アーミル・カーンの演技だろう。1965年生まれだからもう結構いい年なのだが(僕より1つ上でしかないけど)、映画の中では30歳そこそこの主人公サーヒルを演じている。鍛え上げられた肉体で俊敏に動く様子は、じつにエネルギッシュでまったく年齢を感じさせない。キャラクターの造形も見事で、映画を観ながら思わず唸らされるようなシーンがいくつかある。映画の中でインド人刑事が主人公に騙され手玉に取られるが、観客もまた見事に騙され手玉に取られるのだ。もちろんこうでなければ、刑事がただの間抜けに見えてしまう。

 映画に登場するサーカスはシルク・ドゥ・ソレイユを意識しているようだが、じつに見事なものだ。主人公がこの立派なサーカスを犠牲にしてまで復讐を遂げようとするところが、物語の悲劇性を高めて観客の強い同情を呼ぶのだ。

(原題:Dhoom: 3)

東宝東和試写室にて
配給:日活、東宝東和
2013年|2時間31分|インド|カラー|シネスコ|ドルビーデジタル
公式HP: http://chase-movie.jp/
IMDb:http://www.imdb.com/title/tt1833673/

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