マッド・ナース

2月28日(土)公開予定 ヒューマントラストシネマ渋谷

セクシーで血に飢えたニューヒロイン登場!

マッド・ナース

 アビゲイル・ラッセルにはふたつの顔がある。ひとつはニューヨークの総合病院で献身的に働く看護師として、何度も表彰されている白衣の天使。もうひとつは夜の街で浮気性の男をつかまえ、冷酷に殺す女シリアルキラーだ。そんな彼女が現在目をかけているのが、新人看護師のダニーだった。病院内では札付きのセクハラ医師にいじめられ、救急救命士の恋人との関係に安らぎを見出している彼女を見つめながら、アビゲイルの心の中に「彼女を自分のものにしたい」という気持ちが芽生える。彼女を本当に理解し、守ってあげられるのは自分しかいない。まずは彼女の弱味を握り、邪魔者を排除するのだ。そうすれば自然に彼女は、自分のものになる……はずだった。だがダニーはアビゲイルを慕うどころか、彼女の振る舞いに恐れと嫌悪を抱くようになる。アビゲイルはダニーに失望する。これは自分に対する裏切りではないか! アビゲイルの用意周到な復讐がスタートする。

 原題は『Nurse 3-D』だから、もとは3D映画だのだろう。主演はギャスパー・ノエの『エンター・ザ・ボイド』やジム・ジャームッシュの『リミッツ・オブ・コントロール』(どちらも2009)に出演していたパス・デ・ラ・ウエルタだが、僕は今回の映画ではじめて名前と顔を知った。リブ・タイラーを少し下品にしたような、スタイル抜群のセクシー女優だ。過去に何人も人を殺している凶暴で凶悪な女ストーカーが、新人看護師に執着して追い回すというストーカー系のサイコホラー。それをストーカーに追われる被害者側ではなく、ストーキング行為をする加害者側の視点で描いているのが面白い。アビゲイルがなぜダニーに執着しているのかはよくわからないし、彼女を籠絡してどんな関係を築きたかったのかも不明。しかしそうした突っ込みどころがあちこちに残っていることも含めて、アビゲイルの可愛さになっている。完璧すぎるより、不完全なのがいい。

 要するに彼女は、凶暴なツンデレ女なのだ。最初は「わたしのことが好きなんでしょ。なら付き合ってあげてもいいわよ」みたいな態度を示すのだが、相手にその気がまったくないとわかると「あなたはその程度の人だったのね。とんだ見込み違いだったわ。じゃあ死になさい!」と態度が豹変する。迷惑な人ではあるが、気持ちには純なところがあるようにも見えるところがポイントだ。ダニーへの執着も彼女の本気度の裏返しであって、単なる恨み辛みによる殺意ではない。殺したいだけならただ殺してしまえばいいわけで、そうせずにねちねちと回りくどい罠を張り巡らせるのは、そうすることで彼女との関わりを長く保ちたかったからなのだろう。周囲のすべてを破壊しながらパワフルに突進するアビゲイルの姿は、『ターミネーター』(1984)の殺人サイボーグや『羊たちの沈黙』(1991)のレクター博士にも似ている。このヒロインで、シリーズ化できると思うぞ。

(原題:Nurse 3-D)

京橋テアトル試写室にて
配給:ポニーキャニオン 宣伝:ブラウニー
2013年|1時間24分|アメリカ|カラー|シネマスコープ|ドルビーデジタル
公式HP: https://www.facebook.com/redband.jp
IMDb: http://www.imdb.com/title/tt1913166/

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