ドラフト・デイ

1月30日(金)公開予定 TOHOシネマズ日本橋ほか全国ロードショー

ドラフト会議でチームの未来が決まる!

ドラフト・デイ

 アメリカのフットボールシーズンは、毎年春のドラフト会議から始まる。2014年のドラフト会議当日、クリーブランド・ブラウンズのGMサニー・ウィーバー・Jrは落ち着かない気分で1位指名の戦略を練っていた。今はそのことに全神経が集中し、恋人のアリから妊娠を告げられても上の空だ。じつは彼がGMになって以来、チームの成績は低迷している。3シーズン目の今年に有望な選手が獲得できない限り、彼はGMの座を追われるだろう。今年の指名順位は7番目。だがその朝になって、全体1位の指名権を持つチームが指名順のトレードを申し込んでくる。1位指名権を取れれば、今年のドラフトの目玉と言われている人気選手ボー・キャラハンを獲得できるのだ。オーナーはトレードの話を聞きつけて顔をほころばせ、ぜひともキャラハンを取れとサニーをけしかける。しかしそれと引き替えにチームが失うのは、今後3年分の1位指名権。あまりに高い代償だった。

 ケヴィン・コスナー主演のフットボール映画だが、モチーフになっているのは試合そのものではなくNFLのドラフト会議。日本にいるとまったくわからないのだが、NFLのドラフト会議は毎年3日間かけて行われるフットボール界の一大イベントだという。会議の様子はニューヨークのラジオシティ・ミュージックホールからテレビに生中継され、ショーアップされたエンタテインメントとしてフットボールファン必見のものになっているらしい。映画はNFLの全面協力を得て2013年4月に行われたドラフト会議の様子を撮影し、映画の内容に関係する部分はCMで放送が中断する間に撮ったという。ただし主人公のサニーはこの会場には足を踏み入れない。彼はチームの本拠地クリーブランドで、関係者たちが集まるウォールーム(戦略室)に頻繁に出入りしながら全体の指揮を執る。時間ぎりぎりまで選手や関係者たちの売り込みや、他チームのGMとの駆け引きが続く。

 これは関係者のエゴとエゴがぶつかり合う真剣勝負なのだ。オーナーはチームの成績を一気に引き上げ、観客動員が期待できる花形選手を取りたい。監督には自分のチームプランがあり、有名選手の参加でそれを乱されたくないし、トレード材料に数年先まで指名権を手放すなど愚の骨頂だと思っている。ドラフト候補選手たちは自分をできるだけ早く指名してほしい。他球団はクリーブランドの成績やGMの立場を見越して、できれば有利なトレードを持ちかけたい。誰もが利己的に振る舞い、他人の立場など考えようとしない。こうした状況の中に恋人の妊娠や父の追悼というプライベートな事柄を投げ込んでくる脚本は少々あざといのだが、この対比によって真剣勝負の緊迫感と非情さが劇的に引き立つことにもなる。

 主人公の行動や人物の出し入れが舞台劇のようだと思ったら、共同脚本のラジーヴ・ジョセフは戯曲家なのだという。舞台劇にしても面白い素材かもしれない。

(原題:Draft Day)

アスミック・エース試写室にて
配給:キノフィルムズ パブリシティ:スキップ
2014年|1時間50分|アメリカ|カラー|シネスコ|5.1ch
公式HP: http://draft-movie.com/
IMDb:http://www.imdb.com/title/tt2223990/

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中