クリミナル・アフェア 魔警

2月14日(土)公開予定 シネマート六本木、シネマート心斎橋

警官が助けた男は凶悪な犯罪者だった

クリミナル・アフェア 魔警

 凶悪な武装強盗グループ鬼王団を追っているモク警部は、グループのリーダーであるホンの隠れ家に突入したものの間一髪で逃げられてしまう。重傷を負ったホンは大胆にも自ら病院に飛び込む。たまたま病院の警備担当だった警官のデイブは、ホンが強盗グループのリーダーだとは知らぬまま輸血に協力。このおかげでホンは九死に一生を得るが、モク警部は輸血に協力したデイブを「余計なことをした!」と非難する。彼を生かしておけば、新たな犯罪が起きかねない。案の定、ホンは厳重な警備をかいくぐって病院を脱出。新たにダイヤ強奪事件を起こして、多くの警官や民間人を犠牲にする。だが鬼王団のメンバーたちは仲間割れを起こし、ホンはグループの仲間たちから追われることになった。一方警察内で孤立し居場所をなくしたデイブは、不安定な精神状態のまま、たったひとりで鬼王団の行方を追い始める。唯一の手掛かりは、彼らが犯行時にかぶっている仮面だった。

 香港で2006年に発生した警官同士による発砲死亡事件にインスパイアされたという作品だが、物語はまったくのオリジナルだろう。過去のトラウマから精神的な不安定さを抱えた警官が、強盗団のリーダーと接点を持ってしまったことから正気と狂気の狭間に落ちて行くという物語。映画の中ではダニエル・ウー演じる警官のデイブが、ニック・チョン演じる強盗のホンに対して過度に感情移入していくことで事態がよりややこしくなって行くのだが、映画を観ていてもこのあたりの関係性がよくわからなかった。何がどうなっているのかという因果関係はわかるのだが、なぜそうなってしまったのか理由がわからない。デイブの過去を映画の最後まで伏せてミステリーにしているが、この過去はもっと早めに観客に手の内を見せてしまった方がよかったのではないだろうか。まったく別次元のミステリーとサスペンスが同時進行していることで、物語が混乱しているように見える。

 もちろんどんな映画も、作っている人たちは物語をきちんと理解しているはずだ。この映画も最後にはストーリーの構成要素がすべて出揃って物語が完結するのだから、こうしたわかりにくさも作り手の狙いのひとつなのだろう。だが事実をバラバラにして再構成し、観客を混乱させていくこの手法が、この映画でうまく行っているかは微妙だ。それは映画の最後に、主人公の過去のエピソードを提示していることでも明らかだと思う。これは主人公の過去のトラウマにまつわる真相を示した部分だが、これは本来映画の別の場面に入れるべきものだったと思う。だがこの映画ではそれができないまま、結局最後になって映画のエピローグとして処理することになった。でもこの場面にこのエピソードがあることで、映画に新鮮な驚きや感動が生まれているだろうか? 僕が思うに、これは売りそびれたエピソードを最後に安く叩き売っているだけだ。本来ならもっと高く売れるのにな。

(原題:魔警 That Demon Within)

京橋テアトル試写室にて
配給・宣伝:フリーマン・オフィス
2014年|1時間51分|香港、中国|カラー|スコープサイズ|BD
公式HP: http://freeman-ofc.jp/
IMDb: http://www.imdb.com/title/tt3511542/

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