ジョーカー・ゲーム

1月31日(土)公開 TOHOシネマズ 日劇ほか全国ロードショー

アメリカ大使館から新型爆弾の設計図を盗み出せ!

ジョーカー・ゲーム

 嘉藤次郎は偽名だ。士官学校で上官に逆らい軍法会議で死刑判決を受けた彼は、陸軍の秘密スパイ組織D機関にスカウトされた。諜報員として徹底的な訓練を受け、送り込まれた先は各国が諜報戦を繰り広げる東南アジアの某都市だ。ドイツでユダヤ人科学者が発明した新型爆弾の設計図「ブラックノート」が、ドイツから奪い取られて当地のアメリカ大使グラハムの手に渡っている。D機関に与えられた任務は、グラハムが本国に帰国する前にブラックノートを奪い取ること。だがこの話には裏がある。D機関の存在を好ましく思っていない陸軍の一部幹部は、憲兵隊を使ってアメリカ大使館を襲撃し、グラハムから強引にブラックノートを奪い取る計画を立てる。D機関は大使館の厳重な警備とブラックノートの強奪を企む他国スパイを出し抜き、さらに憲兵隊の妨害を煙に巻いて任務を遂行しなければならないのだ。嘉藤は写真技師に身分を偽って、グラハムへの接近に成功する。

 市川雷蔵が主演した和製スパイ映画『陸軍中野学校』(1966)の現代版みたいな作品だが、ストーリーも演出もゆるゆるでガッカリさせられた。D機関そのものは架空の組織だからそこにある程度の嘘は許されるにしても、それ以外の部分にはきちんと当時の時代色などを反映してほしいのだ。でないとわざわざこの時代を舞台にしたスパイ映画を作る必然性がまったくなくなってしまう。現代ではなく過去を舞台にしているのは、その時代であればこそ成り立つドラマが存在するからではないだろうか。フィクションだから物語は荒唐無稽でも構わないし、アクションが荒唐無稽でも構わない。でも足場になる部分は、しっかりと固定してほしいのだ。この映画はすべてが浮ついていて正体不明だ。そもそもシリアスなスパイサスペンスがやりたいのか、洒落たアクションコメディをやりたいのか、それすらよくわからない。すべてが曖昧なまま、物語だけが上滑りしているのだ。

 この規模の映画にしては作りが貧乏くさいが、工夫の余地はいくらでもあったはず。例えばキャスティングを何とかするだけでも、映画の面白さは少なくとも3割増しぐらいにはなったはずだ。例えば深田恭子が演じたヒロインは、年齢がもっと若くてアクションがきちんとできる女優をキャスティングすべきだった。このヒロインに成熟した大人の色気は不要というより、むしろ邪魔なだけだ。D機関関連の人間では、小出恵介と渋川清彦は配役を入れ替えておくべきだったと思う。脚本がダメならせめてキャスティングで観客をミスリードして行くのがこの手の映画の常套手段だが、この映画にはそうした工夫がまるでない。脚本がまるでデタラメなので何をやろうが傑作にも快作にもなりようがない作品だが、それならそれで、映画の一部分だけでも突出して面白いところがあれば良かったのにそれもない。主演の亀梨和也は張り切っているが、彼の努力が空回りしている映画だ。

TOHOシネマズ錦糸町(スクリーン3)にて
配給:東宝
2015年|1時間47分|日本|カラー|シネマスコープ
公式HP: http://www.jokergame-movie.com/
IMDb: http://www.imdb.com/title/tt3446906/

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