名探偵コナン 業火の向日葵

4月18日(土)公開予定 全国ロードショー

ゴッホの名画を争う怪盗キッドとの攻防戦!

名探偵コナン・業火の向日葵

 ニューヨークの美術品オークションに、第二次大戦中の芦屋空襲で焼失したとされるゴッホのひまわりが出品された。史上最高額の3億ドルでこれを落札したのは、鈴木財閥の相談役・鈴木次郎吉だ。次郎吉は世界中に散らばるゴッホのひまわり全作品を集めた展覧会を企画し、落札した「芦屋のひまわり」をその目玉にするつもりなのだという。だがその記者会見場に、怪盗キッドからの予告状が届く。警備担当者の目をかいくぐり、まんまと会場を立ち去るキッド。だがそこに現れたのは、日本の高校生探偵・工藤新一(じつはキッドの変装)だった。次郎吉は新一や園子、ひまわり展開催のために雇った専門スタッフを、ひまわり輸送の特別チャーター機に乗せて日本に向かう。だが羽田到着直前に貨物室のドアが爆破され、芦屋のひまわりは一時的に怪盗キッドの手に渡る。ひまわりはコナンの機転で無事回収されたが、その直後、毛利事務所にキッドから新たな予告状が届く。

 劇場版『名探偵コナン』の19作目だが、あれこれアイデアやエピソードを詰め込みすぎて、ドラマとしての芯が弱い作品になっていると思う。基本線は「絵画強奪を企む怪盗キッドとそれを阻もうとするコナンの対決」なのだが、キッドは本来宝石専門の泥棒だから、絵画にからむのは別の目的がありそうだということがわかる。いつものキッドに比べると、手口も幾分荒っぽい。ひょっとするとこのキッドは偽物なのか? この話に「芦屋のひまわり」がなぜ神戸から消えてヨーロッパで再発見されたのかというミステリーや、その絵に並々ならぬ思い入れを持つ老婦人のエピソード、警戒厳重な美術館からキッドがいかにして絵画を盗み出すかというアイデア、キッドの予告状にある暗号の解読、次郎吉が雇った「七人の侍」の中にいる裏切り者ユダの正体など、さまざまなエピソードがからんでいく。しかしこれらの全部がバラバラで、ひとつの大きなドラマに合流しないのだ。

 コナンは毎年1作ずつ新作映画を作らなければならないノルマがあるし、直近2作は興収40億円超えの大ヒット作だから、簡単に中断したり休んだりすることができないのもわかる。そもそもこれだけの規模の作品を毎年作っていれば、作品内容に出来不出来のバラツキが出るのは当然なのだ。そうやって大目に見るところは大目に見たいのだが、それでも今回はちょっとデキが悪かった。映画終盤で事件の真相が明かされても犯人の動機がまったく理解できなかったし、映画版で恒例になっている建造物破壊のスペクタクルシーンも迫力不足だ。この映画を一言で評するなら、「見通しの悪い映画」ということになると思う。映画冒頭ではニューヨークと日本の距離感が伝わってこないし、終盤の美術館でのクライマックスシーンも、事前に美術館の全体像を見せていないからどのアイデアも後出しジャンケンみたいに見えてしまう。これらは事前に「絵」として見せておくべきだ。

楽天地シネマズ錦糸町(シネマ4)にて
配給:東宝
2015年|1時間53分|日本|カラー|ビスタサイズ|ドルビーデジタル
公式HP: http://www.conan-movie.jp/
IMDb: http://www.imdb.com/title/tt3737650/

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google フォト

Google アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中