最後の1本 〜ペニス博物館の珍コレクション〜

8月8日(土)公開予定 新宿シネマカリテ、シネ・リーブル梅田、センチュリー

世界唯一のペニス博物館へようこそ

最後の1本 〜ペニス博物館の珍コレクション〜

 北極圏にある火山の国アイスランドには、世界にひとつしかない風変わりな博物館がある。その名もアイスランド・ペニス博物館。元中学校教師のシッギ館長が、20年以上かけて集めたコレクションをもとに1997年に開館した。収蔵品はアイスランドの陸と海に生息するほとんどすべての哺乳類のペニス標本と、ペニスをかたどった民芸品など300点以上。だがシッギにはひとつの不満がある。それは収蔵品に人間のペニスの標本がないことだ。「これでは自分のコレクションが完成しない!」と思い悩む彼のもとに、魅力的な2件のオファーが舞い込んでくる。ひとつはアイスランドの著名な冒険家でプレイボーイとしても鳴らしたパウットル・アラソンが、本人の死後にペニスを寄贈しすると約束してくれたこと。そしてもう1件アメリカのトム・ミッチェルという男が、なんとペニスの生前贈与を申し出てきたのだ。博物館「最後の1本」ははたして誰のモノになるのか?

 いい年をした大人の男たちが、ペニスに対して異様な執念を燃やす姿を描くドキュメンタリー映画だ。子供にとって「チンコ」や「ウンコ」は必ず笑いを引き出すマジックワードだが、「チンコ大好き!」という点では子供も大人も変わりがないらしい。この映画を観ていてついニヤニヤニコニコしてしまうのは、登場する男たちの誰もが子供のように屈託のない表情をしているからだろう。男はみんなチンコが大好きなのだ。ペニス博物館のシッギ館長は取材カメラに向かって、「ペニスに対するタブーをなくしたい」と大まじめに語る。このセンスこそ、まさに小学校3年生レベルの感性と言うしかない。だが男たちはいくつになっても、その心の中に少年時代の自分自身を飼っているものなのだ。館長のシッギは確かに変人かもしれない。でも映画を観ていると、そのシッギが一番常識的でまともな人間に思えてくる。まあ「オタク」なんでしょう。ペニスオタク。ペニオタだね。

 シッギが常識人に見えてくるもうひとつの理由は、博物館に自らのペニスの提供を申し出たアメリカ人のトムが「自分のチンコだけが好き!」「オレサマのチンコが世界一偉大だ!」という尊大な男だからかもしれない。シッギはトムの申し出をありがたく感じながらも、その押しつけがましさにウンザリしてくる。映画を観ている側も、同じようにウンザリしてくる。彼に比べると、アラソン翁の何というかわいらしさよ。彼は自分のペニスを愛しているというより、自分と関わりのあった女たちを愛しているのだ。だからアルバムをめくりながら、昔関係した女たちの名前をちゃんと言える。(手帳にびっしり女たちの名前をメモしていたりもするけど。)年をとってペニスが小さくなってしまったことを嘆き、ベッドに横になってぽつりと「縮んじゃった」とつぶやく情けない顔がまたかわいい。

 面白い映画だったが、女性にはこれの面白さがわからないかもしれないなぁ……。

(原題:The Final Member)

ギャガ試写室にて
配給:ギャガ映像事業部
2012年|1時間13分|カナダ|カラー|ビスタ|5.1chデジタル
公式HP: http://saigo-no-ippon.gaga.ne.jp/
IMDb: http://www.imdb.com/title/tt2318701/

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