ピース オブ ケイク

9月5日(土)公開予定 新宿バルト9ほか全国ロードショー

多部未華子が恋多きヒロインを好演

ピース オブ ケイク

 梅宮志乃は恋多き女だ。いや、むしろ恋にだらしがない……と言うべきかもしれない。バイト先の同僚と交際していたにも関わらず、別の同僚とも何となく関係を持つあたりにその傾向が現れている。それが恋人に知られて当然のように降られ、気まずくなってバイトも辞めた。心機一転。引っ越して生活を立て直そうとするのだが、転居早々隣室の男に微笑みかけられて思わず胸がときめいてしまう。ダメだダメだ。これまで自分はさんざん男で失敗してきたではないか。ぐっと気持ちを抑え込んで新しいバイト先になったビデオ屋に行けば、なんとその店長が隣室の男だった! これは、やっぱり運命の出会い? 彼の名は菅原京志郎。何しろ部屋が隣なので、志乃が遅番の時は京志郎と一緒に帰ってくることになる。志乃の気持ちは募っていくが、京志郎には半同棲中の彼女がいる。だがある日、その彼女が突然姿を消してしまった。志乃は京志郎と付き合いはじめるのだが……。

 ジョージ朝倉の同名コミックを原作にした辛辣なラブ・コメディ。監督は田口トモロヲで、脚本は向井康介。配役が豪華なのだが、それぞれこれまで演じてきた役柄とは少しズレたキャラクターを演じさせているのが面白い。主演の多部未華子がオマタのゆるいヒロインを演じれば、綾野剛が女に翻弄される優柔不断なダメ男を演じている。ヒロインの志乃なんて、この映画の中で何人の男と関係を持つのだろうか? 映画冒頭でいきなり浮気がばれてしまうので、その時点でふたりと関係がある。その後も使用済みのピンクローターを水道で洗っている多部未華子というのは、絵柄としてかなり衝撃的だと思うし、歓迎会でいきなり同僚にキスされてそれを受け入れてしまうというのもどうかと思う。惚れっぽいというのではなく、求められると断れないタイプなのかもしれない。これでヒロインが汚れた感じに見えないのは、多部未華子というキャスティングゆえのことなのだろう。

 他のキャストでは、松坂桃李がオカマの役を演じるのも意外だ。彼は同時期に公開される『日本のいちばん長い日』では戦争継続を主張する青年将校を演じているのだが、それとは正反対にも思える柔らかい役もできるようになったというわけだ。ただし彼のドレス姿には既視感もある。じつは「帰ってきた侍戦隊シンケンジャー 特別幕」(2010)で、既に女装姿を披露しているのだった……。松坂桃李以外にも、この映画では日曜朝の「スーパーヒーロータイム」で馴染みの顔が、他にも何人か出演している。ヒロインの浮気相手は「海賊戦隊ゴーカイジャー」でゴーカイレッドを演じた小澤亮太だし、ビデオ屋の同僚には「仮面ライダーW」のフィリップ君こと菅田将暉がいる。綾野剛も「仮面ライダー555」に出演していた俳優だ。今は日曜日のヒーロー番組が、若手俳優の登竜門になっているのだ。ただし芸能界で生き残っていくのは、ものすごく大変だろうけどね……。

ショウゲート試写室にて
配給・宣伝:ショウゲート
2015年|2時間2分|日本|カラー|ビスタサイズ
公式HP: http://pieceofcake-movie.jp/
IMDb: http://www.imdb.com/title/tt4061360/

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中