パパが遺した物語

10月3日(土)公開予定 新宿ピカデリー、丸の内ピカデリーほか全国ロードショー

父の病気は治っていなかった……

パパが遺した物語

 1989年。小説家のジェイクは自動車運転中の事故で妻を亡くし、自らも重傷を負った。だが幸運なことに、同乗していた愛娘ケイティは無事。母親のいなくなった家庭で、ジェイクとケイティふたりきりの生活が始まった。だが事故の後遺症で、ジェイクはしばしばてんかんの発作を起こすようになる。治療のために、ジェイクはケイティを亡き妻の姉夫婦に託して入院。だが7ヶ月後に退院して娘を引き取りに行ったとき、義姉から聞かされたのは「ケイティを養女にしたい」という突然の申し出だ。腹を立ててその場を立ち去るジェイクだが、退院して最初に発表した小説は不評で売れ行きも悪い。そこに追い打ちをかけたのが、治ったはずの病気の再発だった……。それから25年が過ぎた。大学院で心理学を学んでいるケイティは、ソーシャルワーカーとして心に傷を持つ子供のカウンセリングを行っている。しかしその彼女自身が、心に大きな問題を抱えているのだった。

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薩チャン正ちゃん 〜戦後民主的独立プロ奮闘記〜

8月29日(土)公開予定 K’s cinemaほか全国順次公開

独立プロから見た戦後日本映画史

薩チャン正ちゃん 戦後民主的独立プロ奮闘記

 戦後日本映画界は、東宝争議(1946〜48)とレッドパージ(1950)で大量の労働者を解雇追放した。そのまま映画界を去った者も多かったが、一部の映画人は自分たちで製作会社を作って新しい時代の映画作りに乗り出す。山本薩夫や今井正も東宝を離れ、既存の映画会社での仕事に行き詰まりを感じた新藤兼人は松竹を退社した。こうして1950年代から、独立プロの企画製作による新しいタイプの映画が次々に誕生することとなる。当時の日本はまだ米軍の統治下で、大手映画会社は占領軍の意向を伺いながら映画を作っていた。だが独立プロでは当時の時代の空気を敏感に汲み取りながら、大手では通りにくい企画を次々に映画化して映画ファンの支持を得ることになる。だが独立プロはどこも資金繰りが苦しく、スタッフも出演者も無償労働になることがしばしばだ。現場を支えていたのは、「少しでも良い映画が作りたい」という映画人としての情熱だけだった。

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