ミニオンズ(2D・日本語吹替版)

7月31日(金)公開予定 全国ロードショー

ミニオンたちが怪盗グルーに出会う前の物語

ミニオンズ

 人類の歴史よりずっと昔から、この地球で暮らしてきた黄色い奇妙な生き物ミニオン。彼らが進化の過程で身に着けた処世術は、「強い者に庇護されて生きよ!」だった。この世界で最も強力で、凶暴で、狡猾な生き物こそが、彼らにとっての主人に相応しい。だが彼らにとって究極のご主人様は、なかなか現れない。一度は北極の洞窟に安住の地を見つけたミニオンたちだったが、「強い主人」なしに彼らは生きて行くことができなかった。ミニオンのケビン、スチュワート、ボブは、より強い主人を求めて人間界へと旅に出る。そこで彼らが巡り会ったのは、世界一の悪党スカーレット・オーバーキル! なんとか彼女の手下になることができたミニオンたちはイギリスに渡り、エリザベス女王から王冠を盗み出すよう命じられる。だがお間抜けなミニオンたちのこと。あっという間に警察に追われる羽目に……。ところが逃走中にボブが、聖剣エクスカリバーを引き抜いてしまう。

 『怪盗グルーの月泥棒』(2010)と『怪盗グルーのミニオン危機一発』(2013)に続くシリーズ第3弾だが、物語はミニオンたちが怪盗グルーに出会う前のエピソード0、プリクエル(前日譚)になっている。僕は『怪盗グルー』シリーズを観ていなかったのだが、この映画からいきなり観ても話は前2作とつながっていないので問題なし。ただ今回観たのが2Dの日本語吹替版だったのは失敗で、これはやはり3D版を観るべきだったかもしれない。映画の見どころはミニオンたちがスカーレット・オーバーキルと繰り広げるドタバタアクションなのだが、その迫力は本来3D画面向けに設計されているのではないだろうか。物語は正直だいぶ物足りない。映画の序盤でミニオンたちが新しい主人を探す旅に出るあたりまで、あるいは彼らがフロリダのオーランドで大悪党大会に出場するまでは面白く観られる。だが舞台がイギリスに移ると、突然物語が失速してしまうのだ。

 おそらくこれは、スカーレット・オーバーキル(僕は「オーバーキル」という名前が「オバQ」に聞こえてしょうがなかった。アタマのてっぺんに毛が3本!)の大悪党としての凄味が、映画の中でうまく描かれていなかったからだと思う。彼女は大悪党大会のスペシャルゲストとして招待されているほどの有名人で、世界中の悪党がその手下になるのを強く望む悪党界のカリスマだ。でも彼女は手持ちの宝石をあっさりミニオンたちに奪われてしまうし、イギリスに戻ってからも仕事はミニオンに任せっきりで、自分はこれといって何もしていないではないか。彼女の悪党ぶりを、観客は映画の中で目撃することができない。彼女がいかに悪辣で、残忍で、残虐な性悪女なのかをしっかり描けば、ミニオンたちのその後の活躍も生きてきたと思う。ミニオンたちは何の力もない小物なのだ。非力なザコなのだ。それが巨大な力を持つ大物をきりきり舞いさせるから痛快なのになぁ……。

(原題:Minions)

TOHOシネマズ錦糸町(スクリーン1)にて
配給:東宝東和
2015年|1時間32分|アメリカ|カラー|ビスタサイズ
公式HP: http://minions.jp/
IMDb: http://www.imdb.com/title/tt2293640/

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