技術者たち

11月28日(土)公開予定 シネマート新宿

40分で1,500億ウォンを盗み出せ!

技術者たち

 ジヒョクは金庫破りのエキスパート。相棒のグインと組んで数々の仕事を成功させてきたが、今度は新たに天才ハッカーのジョンベを加えて宝石店の襲撃に成功する。だがこの仕事は相手が悪かった。宝石店の経営者チョ社長は、裏稼業でもさまざまな悪事に手を染める大物やくざ。彼は手下たちを使ってジヒョクたちの犯行を突き止めるが、なぜか警察には通報せずに直接アジトに乗り込んでくる。チョ社長の言葉は意外なものだった。「あの金庫を破った腕を見込んで、お前に仕事を頼みたい」と言うのだ。その仕事とは、仁川税関が秘かにプールしている裏金1,500億ウォンを盗み出すこと。既に準備は少し進んでいるのだが、最後の難関はこれまで誰も破ったことがない大型金庫を開くことだ。仕事に当てられる時間は全部で40分。金庫破りにさける時間は、そのうちせいぜい10分しかない。やばい仕事だが、相手がチョ社長ではジヒョクたちに断る道はなかった……。

 邦題は『技術者たち』だが、そこに『The Con Artists』とい英題が添えてあるので、これが詐欺師の話だとわかってしまう。となると話の筋立ての大枠は『スティング』(1973)だ。若いコンマン(詐欺師)が、仲間と一緒に持ち前の腕と度胸で悪党をカモにする。主人公の動機付けに恩人の死を持ってくるのも似ていのだが、『スティング』のロバート・レッドフォードが青臭い新人詐欺師だったのに対し、この映画でキム・ウビンが演じる主人公はずっと老獪だ。彼は『スティング』なら、むしろボール・ニューマンに近いポジションなのだ。モデル出身のキム・ウビンは長身の二枚目だが、演技が下手なのか、またはこういう役作りなのか、常に余裕綽々の貼り付いたような笑顔で、何を考えているのかまったく腹が読めない。それを同じチームの仲間を演じるコ・チャンソクやイ・ヒョヌが補っているが、僕自身は最後の最後までこの主人公にはノレなかった。

 犯罪映画は徹底的にクールにするか、徹底的に熱くヒートアップするか、ふたつにひとつでその中間はあまりあり得ないのだと思う。この映画はそのあたりが、最後までどっちつかずだったのではないだろうか。例えは主人公が精密機械のように水も漏らさぬ犯罪計画を立てている割には、チョ社長にあっという間に尻尾をつかまれアジトに乗り込まれてしまうあたりでもう「アレレ?」なのだ。主人公たちがチョ社長の計画に巻き込まれるのが映画の最初の山場だから、ここはもっと観客をハラハラさせてほしい。主人公チームがチョ社長を出し抜こうとする計画も、観客が「うまく成功してくれよ!」と手に汗握るものにしてくれた方がいい。この映画は全体に、あっさりしすぎなのだ。一通りの説明はしてあるから、観客が「そりゃずるい」と憤慨することはないかもしれないが、物語が最後まで観客の想定の範囲でしか動かないのはつまらない。映画にはサプライズが必要だぞ。

(原題:기술자들)

アスミック・エース試写室にて
配給:クロックワークス
2014年|1時間56分|韓国|カラー|シネスコ|5.1ch
公式HP: http://gijyutsu-movie.com/
IMDb: http://www.imdb.com/title/tt4319112/

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