きみといた2日間

12月23日(祝)公開予定 新宿武蔵野館

一夜だけの関係にするつもりだったのに……

きみといた2日間

 恋人に振られてから何をするにもやる気が出ないメーガンは、大学で勉強を続けるでもなく、就職するでもなく、部屋に引きこもってだらだら時間を過ごすばかりの毎日。「ストレスたまってない? 出会い系でオトコでも見つけて一発やっちゃいなよ!」とルームメイトに急き立てられた彼女は、出会い系サイトで出会ったアレックという男の部屋で一夜を過ごす。今後二度と会うことのない一夜限りの関係だ。だが朝になって部屋を出ようとしたところ、前夜からニューヨークを襲った突然の大吹雪で道路は埋め尽くされ、公共交通機関もすべて運休。そもそも建物のドアも雪と氷でびくともしないのだ。……というわけで、一夜限りの後腐れのない関係にするはずが予定変更。ふたりはそのまま部屋の中に居残り、吹雪が落ち着くのを待つことになる。前夜はそれなりに盛り上がったものの、こうなってしまうと関係はよそよそしくて気まずい雰囲気。はたしてふたりはどうなる?

 原題は『Two Night Stand』で、 「One Night Stand(一夜の関係)」のもじり。日本ではそれを、『きみといた2日間』というなにやらロマンチックなタイトルにしている。出会い系サイトは世界的にもすっかりポピュラーなものになっているし、出会い系サイトを使って男女が知り合うという恋愛映画もこれがはじめてというわけではない。例えば10年前にはダイアン・レインとジョン・キューザック主演で『理想の恋人.com』(2005)という映画が作られている。ただし主人公たちがサイトを利用して一夜の情事を求めるというのは、これまでにあまり観たことがないパターンかもしれない。こうした行動を取るヒロインに、どれだけの人が共感するのかはわからない。それまでまったく面識のない相手の部屋にいきなり泊まりに行くというのは、ちょっとあまりにも無防備で不用心すぎるような気もするんだけど……最近はそんなもんなのかね?

 映画はこのあたりをスピーディに処理し、さらりと流しているところが上手いと思う。最初に一夜明けた朝から話を始めて、次にそこまで至った経緯を回想で処理するのはいいアイデアだ。回想形式を使えば、長い時間を自由自在に省略できる。マーク・ハマーの脚本も良くできているのだが、これが長編初監督だというマックス・ニコルズ(マイク・ニコルズ監督の息子)の演出もそつなくまとまっている。中心は主人公ふたりきりの室内劇で台詞が多いため、ヘタをすると(下手をしなくても)舞台劇のような台詞の応酬になってしまいそうだが、この映画では限定された舞台設定の狭苦しさを、雪に閉じ込められた部屋の閉塞感とこそにいる人間の気まずい関係にうまく置き換えることに成功していると思う。気まずい関係が親しい関係に少しずつ変わっていく様子を、きめ細かく演じた主演のマイルズ・テラーとアナリー・ティプトンの瑞々しさ。これだけでも観る価値ありだ。

(原題:Two Night Stand)

京橋テアトル試写室にて
配給・宣伝:ファインフィルムズ
2014年|1時間26分|アメリカ|カラー|5.1ch
公式HP: http://finefilms.co.jp/kimi2
IMDb: http://www.imdb.com/title/tt2140619/

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