残穢【ざんえ】 住んではいけない部屋

第28回 東京国際映画祭 コンペティション
2016年1月30日(土)公開予定 全国ロードショー

それは手垢のついた怪談話のはずだった……

残穢【ざんえ】住んではいけない部屋

 ホラー小説作家の「わたし」に編集部経由で届いた手紙は、郊外のマンションで一人暮らしをしている女子大生・久保さん(仮名)からのものだった。彼女の住む部屋では夜中に無人の和室から、畳をホウキでこするような物音が聞こえるという。わたしにはこれが、他の体験談と同じ「ありがち」で「ありきたり」な内容に思えた。それから数ヶ月後、久保さんから続報が届く。音のする部屋の戸を開いて中を見ると、一瞬だが畳をすべる着物の帯が見えたという。どうやら久保さんは、着物姿で首をくくった人の姿を想像したようだ。だがわたしはその手紙を読んで、2年前に受け取った似た内容の手紙を思いだした。手紙の差出人は久保さんと同じマンションの、まったく別の部屋に住む人だ。それから半年後、久保さんが入居する前に同じ部屋に住んでいた青年が、転出してしばらくしてから首つり自殺していたことがわかる。やはりこのマンションに、異変が起きているのだ。

続きを読む

ピンクとグレー

第28回 東京国際映画祭 Japan Now
2016年1月9日(土)公開予定 TOHOシネマズ新宿ほか全国ロードショー

映画中盤のどんでん返しにびっくり!

ピンクとグレー

 渋谷にある高層マンションの一室で、若手の人気俳優・白木蓮吾が自殺した。彼に呼び出されて遺体の第一発見者になったのは、幼なじみの河田大貴。警察での取り調べを終えて報道陣に取り囲まれる大貴を、彼と同じく蓮吾の幼なじみだった沙理が見つめていた……。3人の物語は、事件からさかのぼること14年前にはじまった。小学生の時、関西から埼玉の団地に引っ越してきた大貴は、同じ団地に住む真吾と沙理と仲良くなる。同じ高校に進学した信吾と大貴は、渋谷で雑誌の読者モデルにスカウトされたのをきっかけに芸能界に入る。ふたりは小さな芸能事務所に所属し、上京して同じアパートで同居生活をはじめた。美大生になった沙理とも東京で再会。だがそれから間もなく、エキストラの仕事で注目された真吾は新進俳優・白木蓮吾としてスターダムにのし上がっていく。そんな真吾を間近に見ながら大貴は自分自身の才能のなさに焦り、いつしか真吾を憎みはじめる。

続きを読む

ちえりとチェリー(併映:チェブラーシカ動物園へ行く)

第28回 東京国際映画祭 パノラマ

小6の少女ちえりが土蔵の中で大冒険!

ちえりとチェリー

 小学6年生のちえりは、母に連れられて久しぶりに父の実家だった東北を訪れる。ちえりが幼い頃に死んだ父の七回忌の法要のためだ。いとことケンカして母に叱られたちえりは、寺には行かずひとり家で留守番をすることになった。ひとりでも恐くない。なぜなら、ちえりにはいつだって友だちのチェリーがついているからだ。チェリーは古びたウサギのぬいぐるみ。しかしちえりの豊かな想像力のおかげで、チェリーは人間の大人と同じ背丈になり、優しく力強くちえりを見守ってくれる存在になるのだ。ちえりとチェリーは、さっそく家の中の探検に出かける。天井板の節穴は獰猛なカラスに早変わり。物置の片隅にいたネズミは、ねずざえもんと名付けられてふたりの仲間になる。土蔵で出会ったネコは、漆黒の体に緑色の目が輝くレディ・エメラルドだ。だが土蔵にいたのは彼女だけではない。おなかの大きなお母さんイヌが、子犬がなかなか生まれなくて苦しんでいたのだ。

続きを読む