007 スペクター

12月4日(金)公開予定 TOHOシネマズ日劇
11月27日(金)、28日(土)、29日(日)先行公開

ダニエル・クレイグの007シリーズ完結編?

スペクター

 観光客でごった返すメキシコシティで、大規模テロを阻止したジェームズ・ボンド。だがその派手な立ち回りを上司のMはたしなめる。内務省では諜報部門の再編が計画中で、Mが率いるMI6はCが指揮を執るMI5と統合されそうなのだ。だがMの制止も聞かずにボンドは自分が暗殺した男の妻とローマで接触し、その情報をもとに国際的な犯罪組織の秘密会議に潜入する。そこで会議を取り仕切っていた組織の首領は、ボンドにとって忘れがたい人物だった。「そんな馬鹿な。やつは20年前に死んだはずだぞ!」。敵の追跡をかわしたボンドは、かつての宿敵Mr.ホワイトが組織の一員だったことを知って彼の隠れ住むオーストリアの山荘へ。だがそこで彼を迎えたMr.ホワイトは毒を盛られて瀕死の状態だ。「娘の命を助けてくれ。そしてアメリカンのことを聞くんだ」と言い残して彼は自ら命を絶った。ボンドは娘のマドレーヌに会うため、雪山のクリニックに向かう。

 007シリーズ24作目、ダニエル・クレイグがボンドを演じて4作目となる本作は、2006年からはじまったクレイグ版ボンドの完結編になるかもしれない作品だ。このシリーズは撮影の負担が大きいこともあるせいか、撮影が終わるたびにクレイグは「もう出たくない」という発言を繰り返している。しかし過去のボンド役者も、ショーン・コネリーは5年で5本撮って一度ジョージ・レイゼンビーにバトンタッチしているし、ティモシー・ダルトンは2年で2作、ピアース・ブロスナンは7年に4作主演してボンドを卒業している。12年かけて7本に主演したロジャー・ムーアは特別で、あとは10年以上ボンドを演じ続けた俳優はいないのだ。クレイグは2006年の『007/ カジノ・ロワイヤル』から今年で9年。次にもう1本となれば10年を超えてしまう。ダニエル・クレイグも、そろそろジェームズ・ボンドを卒業する頃合いなのは間違いない。さてどうなるか?

 クレイグ版007シリーズの特徴は、1作目の『007/ カジノ・ロワイヤル』から物語が連続性を持っていることだ。過去の作品も世界観は継承されているが、物語は基本的に1話完結型。1作ごとに異なる任務があり、異なる敵と戦い、異なる美女と知り合って、最後はその美女とベッドインして終わる。その美女との関係は次作に引っ張られない。だがクレイグ演じるボンドは違う。前作の物語が次作に引き継がれ、前作で愛した女への思いが次作に引きずられる。クレイグ版のシリーズは1作ごとの区切りはあっても、全体でひとつの大きな物語になっている。『ハリー・ポッター』シリーズみたいなものだ。これは明らかにビデオソフト(あるいはオンデマンドビデオ)時代の映画の作り方だと思う。トム・クルーズの『ミッション:インポッシブル』シリーズにも似たところがあるが、クレイグ版ボンドはそれをより徹底させている。でもこれは永遠には続かないよね……。

(原題:Spectre)

SPE試写室にて
配給:ソニー・ピクチャース エンタテインメント
2015年|2時間28分|アメリカ、イギリス|カラー|スコープサイズ
公式HP: http://007spectre.jp/
IMDb: http://www.imdb.com/title/tt2379713/

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