コードネーム U.N.C.L.E.

11月14日(土)公開 丸の内ピカデリーほか全国ロードショー

「0011ナポレオン・ソロ」の映画版リメイク

コードネーム U.N.C.L.E.

 東西冷戦真っ直中の1960年代。東ベルリンに潜入したCIA工作員ナポレオン・ソロは、行方不明になったドイツ人天才科学者の娘ギャビーを西ドイツに脱出させた。だが任務はそれで終わらない。じつは彼女の父がナチスの残党に誘拐されて、ヨーロッパのどこかにある秘密施設に監禁されている。そこで作られた核爆弾が、南米にあるナチス残党の本拠地に持ち出されれば大変なことだ。ナチスという共通の敵を前に、米ソは秘かに協力することとなった。ナポレオン・ソロとKGB工作員のイリヤ・クリヤキンにコンビを組ませ、ギャビーをエサに敵の秘密施設を突き止めるのだ。最初に接触すべき相手は、ローマに住んでいるギャビーの叔父だ。彼もまたナチス残党一派であり、間違いなく彼女の父の行方を知っている。イリヤはギャビーの婚約者として共にローマへ。ナポレオンも口八丁手八丁の巧みな売り込みで、敵方の重要人物に接触することに成功したのだが……。

 1964年から1968年まで放送された(日本では1966年から70年まで)人気テレビシリーズ「0011ナポレオン・ソロ」を、新たに映画版としてリメイクした作品。監督はガイ・リッチー。女たらしの大泥棒からCIAの工作員になった主人公ナポレオン・ソロ役は、『マン・オブ・スティール』(2013)でスーパーマンを演じたヘンリー・カヴィル。相棒のイリヤ・クリヤキンには、『ローン・レンジャー』(2013)のアーミー・ハマー。スーパーマンもローン・レンジャーも往年の人気テレビドラマで、今回はそのリメイク映画に主演していた俳優ふたりが、それとは別の人気テレビドラマのリメイク映画で合流したわけだ。ハリウッドもいちいちネタ不足だが、それにしても今さら「ナポレオン・ソロ」。もう半世紀も前のテレビ番組で、僕はこれをまったく見ていない。映画の製作者たちも、オリジナル版を懐かしむ層をターゲットにはしていないだろう。

 テレビ版が制作放送されていた時代は、実際の東西冷戦の真っ最中だった。その中で米ソの凄腕スパイ同士が手を組むというのは、気の利いたファンタジーだったのかもしれない。しかしソ連が崩壊してすでに四半世紀近くがたっている。かつては世界中に張り巡らせた諜報網と謀略で「世界の警察」として振る舞っていたアメリカも、最近はまったく精彩がなく覇気も感じられない。こんな時代に冷戦時代の元気一杯のスパイ合戦を見せられても、「昔は良かった」というノスタルジーしか感じられないのだ。1960年代のレトロな車やファッションの再現が、そのノスタルジックなムードに拍車をかける。とはいえそこはハリウッド映画。脚本や演出の手練手管もあって、映画を観ている間はちゃんと楽しませてくれる。映画のラストで「U.N.C.L.E.」が結成されるし、ヒュー・グラントの悪のりも観てみたいので、続編を作ってほしいような気も多少はするのだった。

(原題:The Man from U.N.C.L.E.)

楽天地シネマズ錦糸町(シネマ1)にて
配給:ワーナー・ブラザース映画
2015年|1時間56分|アメリカ|カラー|シネマスコープ
公式HP: http://wwws.warnerbros.co.jp/codename-uncle/
IMDb: http://www.imdb.com/title/tt1638355/

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