クリード/チャンプを継ぐ男

12月23日(祝)公開 全国ロードショー

ロッキー・シリーズのスピンオフ作品

CREED

 アドニス・ジョンソンは父親を知らずに育った。母は彼を私生児として産み落とすとすぐに亡くなり、あとは児童養護施設と里親の家を行ったり来たりする不安定な少年時代を過ごす。彼をその境遇から救い出したのは、死んだ父の未亡人メリー・アンだ。アドニスの父はボクシングの元ヘビー級王者アポロ・クリード。アドニスは伝説のチャンピオンが浮気相手に生ませた、たったひとりの息子だったのだ。メリー・アンは亡き夫の忘れ形見を引き取り、アドニスは優れた教育を受けて一流企業に勤めるようにもなった。だが彼の心の中には、アポロから受け継いだ闘志が燃え盛っている。自己流でボクシングを学び、メキシコの賭けボクシングで15戦全勝。やがて彼は会社勤めとボクサーの二足のわらじに我慢できなくなり、会社をやめてボクサーとして生きる決意を固めるのだった。彼が目指したのはフィラデルフィア。そこには亡き父の親友だったロッキー・バルボアがいる!

 『ロッキー・ザ・ファイナル』(2006)以来のロッキー・シリーズ最新作だが、今回の映画は『ロッキー』シリーズのスピンオフという位置づけ。主人公はロッキーの親友でライバルだったアポロの息子アドニスだ。初老のロッキーを演じているのはスタローンだが、今回の彼は製作を兼ねているものの脚本・監督は担当せず、それらは丸ごと若手のライアン・クーグラー監督に委ねている。クーグラー監督は2013年の『フルートベール駅で』で注目され、今回の映画はそれに続く作品。主演のマイケル・B・ジョーダンも『フルートベール駅で』の主演俳優だ。物語はひとりの青年が自らの生い立ちと向き合い、自分自身のアイデンティティ獲得するまでを描く青春ドラマになっている。アポロの死を描いた『ロッキー4/炎の友情』は1985年の映画なので、アドニスはおよそ30歳ぐらいのはず。これはシリーズ1作目『ロッキー』(1976)の主人公と同じ年齢だ。

 有名な世界チャンピオンが対戦相手として通常はあり得ない格下ボクサーを指名するという展開は、シリーズ1作目や前作と同じだ。しかしいくら才能があろうが、いくら世界チャンピオンの血筋を引いていようが、いくら優れたトレーナーのコーチを受けていようが、プロのリングに立って半年、公式戦2試合目にして世界タイトルマッチはないだろう。映画はこの「あり得ない対戦」を実現させるためにいろいろと工夫をしているが、やはりどう考えても無理がある。よりにもよって、現役の世界チャンピオンが引退試合とするようなマッチメイクではない。主人公の対戦相手は中堅の世界ランカーでも充分だったと思うが、それでは話が盛り上がらないという判断なのだろうか。試合シーンの演出は映画中盤にあるデビュー戦の方が工夫されていて面白く(長回しのワンカット撮影なのだ)、これに比べるとタイトルマッチの演出は過去のシリーズに比べても凡庸なできに思える。

(原題:Creed)

楽天地シネマズ錦糸町(シネマ3)にて
配給:ワーナー・ブラザース映画
2015年|2時間13分|アメリカ|カラー|シネマスコープ|サウンド
公式HP: http://wwws.warnerbros.co.jp/creed/
IMDb: http://www.imdb.com/title/tt3076658/

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