暗殺教室 ー卒業編ー

3月25日(金)公開 全国ロードショー

殺せんせーの秘密が暴かれる完結編

暗殺教室 ー卒業編ー

 3年E組の生徒たちが、謎の生物・殺せんせーを殺せないまま半年が過ぎた。3月の卒業までに先生の暗殺が成功しないと、地球は破滅するだろう。だが生徒と先生の間には、いつしか「殺すもの」と「殺されるもの」の対立を越えた絆が生まれていた。学園祭のシーズンも慌ただしく過ぎた頃、E組の生徒である茅野カエデが突然殺せんせーに黒い触手を放つ。クラスの中でも目立たない存在だった彼女は、これまでじっと息を潜めて先生暗殺の機会をうかがっていたのだ。彼女はかつてE組の担任だった雪村あぐりの妹。殺せんせーが姉を殺したと思い込み、復讐のチャンスを狙っていたという。潮田渚の機転でカエデの触手を引き抜くことに成功した殺せんせーは、生徒たちに自分と雪村先生の関係や、自分がE組の教師になった理由を語り始める。それは殺せんせーと生徒の関係を根本から変えてしまうような、衝撃の事実だった。殺せんせーはかつて、人間だったというのだ!

 2012年から16年まで「週刊少年ジャンプ」に連載され、2015年にはテレビアニメ化もされた人気コミックの実写版第2弾。昨年3月に公開された映画版『暗殺教室』の続編であり、完結編となる作品だ。出演メンバーは前作と同じだが、今回の見どころは殺せんせーの声を演じていた二宮和也が、殺せんせーの過去のエピソードに登場して殺し屋「死神」を演じること。このエピソードがかなりたっぷりと描かれたことで、マンガチックな容姿の殺せんせーにヒューマンな血が通った。映画館の客席では物語の終盤、殺せんせーがいよいよ生徒たちの前から去って行く場面で子供たちが感動していた。だが僕はむしろ人の命を奪うことで生きてきた男が、ひとつの出会いをきっかけにして「人を生かすこと」へと自らの生き方を変える部分にドラマを感じる。雪村先生の死後、かつて死神の名で恐れられていた男が「教師になろう」と決意するくだりに最大の感動があるのだ。
 
 世間から見捨てられて行き場を失っているE組の生徒たちと、「死神」という異名だけで通る何者でもない男の出会い。これは「何者でもない若者が何者かになろうとしてもがく物語」という意味で、間違いなく青春ドラマの定型パターンをなぞっている。青春ドラマとしては「まだ何になりたいのかわからない」という潮田渚がひとりの大人へと成長していく部分がメインなのだろう。だが中学生が「何者でもない」のは当たり前のこと。それより僕は既に何らかの仕事に就いている人間が、新しい生き方を自らの手で選び取ろうとする姿に心を動かされる。それは殺し屋から学校教師へと転身を遂げた殺せんせーであり、最後の最後に子供たちのために一肌脱いでみせる防衛省の烏間惟臣の姿だ。この映画の中では「生き方を変える」ことができた者たちがヒーローになり、変われなかった人間は破滅する。科学者の柳沢はその代表だろう。こんな映画だが中身は結構道徳的なのだ。

TOHOシネマズ錦糸町(スクリーン2)にて
配給:東宝
2016年|1時間58分|日本|カラー
公式HP: http://www.ansatsu-movie.com/
IMDb: http://www.imdb.com/title/tt4641264/

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