アリス・イン・ワンダーランド 時間の旅(2D/字幕版)

7月1日(金)公開 全国ロードショー

アリスは親友マッドハッターの家族を救えるか?

アリス・イン・ワンダーランド 時間の旅

 亡くなった父の後継者として貿易船ワンダー号の船長になったアリスが、3年ぶりにロンドンに戻ってきた。だがそこでは元婚約者のヘイミッシュが彼女と母の自宅を抵当にとり、ワンダー号の譲渡を強引に迫っている。ヘイミッシュと直談判するため彼の屋敷に出かけたアリスは、蝶になったアブソレムに誘われるように鏡をくぐってワンダーランドを訪問する。懐かしい顔ぶれとの再会を喜ぶアリスだが、マッドハッターはしばらく前からノイローゼ状態。彼は死んだはずの家族がどこかで生きているという強迫観念にとらわれ、すっかり元気を失っていたのだ。「死んだ家族を救うには、過去に戻って家族を死から救うしかない」という白の女王の言葉を聞いて、アリスはワンダーランドの時間を司るタイムのもとを訪れる。「過去は変えられない。そんなことをすれば大きな破滅が待っている」というタイムの言葉を無視し、アリスは時間制御装置クロノスフィアを奪うが……。

 『アリス・イン・ワンダーランド』(2010)の続編。アリス役のミア・ワシコウスカやマッドハッターのジョニー・デップなど、主要キャストはすべて前作と同じだが、監督はティム・バートンから『ザ・マペッツ』(2011)のジェームズ・ボビンにバトンタッチしている。前作ではまだ少女の面影があったワシコウスカだが、本作ではすっかり成長した大人の女性に変身している。新キャストは時の番人であるタイムを演じたサシャ・バロン・コーエン。尊大で傲慢で自信たっぷりの大男だが、肝心なところで抜けている滑稽な三枚目だ。映画の原題は『Alice Through the Looking Glass』なので、これは「鏡の国のアリス(Through the Looking-Glass, and What Alice Found There)」に触発された物語なのだろうが、物語はルイス・キャロルの小説とはまったく異なっている。

 これは前作『アリス・イン・ワンダーランド』にも言えることだが、この実写版アリスは原作が持っていた奔放なイメージの連鎖に首尾一貫したストーリーを与えることで、むしろイメージの奔流を制限しているような気がする。ディズニーアニメ版の『ふしぎの国のアリス』(1951)の方が、支離滅裂でずっと面白いのだ。本作ではクロノスフィアを巡る追いかけっこや、世界の崩壊を食い止めようとするタイムリミットのサスペンスなど、アクション・アドベンチャー映画としての「定型」をなぞっている。だが物語には、その定型をぶち壊していくようなスリルがない。決まりきった「物語の囲い」の中で、害のない小動物が戯れ遊ぶ子ども動物園だ。『ふしぎの国のアリス』は猛獣の檻かサファリパークだったけど……。ちなみに本作で僕がもっとも「ワンダー」を感じたのはマッドハッターの復活シーンだった。映像的には他にいくらでも派手な場面があるんですけどね。

(原題:Alice Through the Looking Glass)

109シネマズ名古屋(シアター5)にて
配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
2016年|1時間53分|アメリカ|カラー|1.85:1
公式HP: http://www.disney.co.jp/movie/alice-time.html
IMDb: http://www.imdb.com/title/tt2567026/

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中