本能寺ホテル

1月14日(土)公開 TOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国ロードショー

このアイデアならもっと面白くなるでしょ?

本能寺ホテル

 婚約者の両親に会うため京都を訪れた倉本繭子は、ホテルの予約ミスから、町外れの「本能寺ホテル」に泊まることになった。アールデコ風のレトロなホテル。繭子がエレベーターに乗って自分の部屋に向かうと、降りたところは天正10年6月1日の本能寺だった。有名な「本能寺の変」は明日に迫っている。繭子は事情がよくわからないまま現代と過去を何度が往復し、織田信長本人とも直接言葉を交わすようになる。「脅かすようにして他人から宝物を取り上げるのはよくありません」「あなたの周囲にいる人たちは怯えるばかりで少しも幸せそうには見えません」など、天下人の信長に対してズケズケとものを言う繭子。だが信長と親しくなったからには、あのことを本人に告げるべきではないのか? それは明智光秀の謀反によって、間もなく信長の命運がつきるということだ。しかしそれを本人に告げれば、歴史が大きく変わってしまう。繭子はどうすればいいのだろうか。

 『プリンセス トヨトミ』(2011)のスタッフとキャストが再結集した、SF仕立ての時代劇アドベンチャー・コメディ映画だ。監督の鈴木雅之、脚本の相沢友子、主演の綾瀬はるかと堤真一などが、『プリンセス トヨトミ』からの同じメンバー。『プリンセス トヨトミ』の原作者・万城目学もアイデア出しには協力したようだが、最終的には映画に何もクレジットされていない。だが完成した映画はあまり面白くないので、これはむしろ原作や原案にクレジットされなくて正解だったのかもしれない。なぜ面白くないのか。その理由はいくつもあるのだが、一番の問題はヒロインの行動にも、ヒロインと対峙する織田信長の行動にも、根本的な「ウソ」があるからだと思う。SF映画だから、ファンタジー映画だから、物語の設定や筋運びにウソがあっても構わない。だが登場人物の行動の動機に、観客が共感できなくては映画が成り立たない。それがこの映画最大のウソだ。

 物語はヒロインが結婚準備をする現代のパートと、明智光秀が謀反を起こす前日の本能寺のパートが交互に描かれる。しかしこのふたつのパートが、ほとんど響き合っていないのだ。過去の出来事は過去の出来事、現在の出来事は現在の出来事として個別に展開し、しかもそれぞれの物語のテーマがちぐはぐになっている。「自分が本当にやりたいことは何か?」という問いが一応は双方に共通しているのだが、この問いに対する答えは明確になっていない。仮にその答えが出ていたとしても、それがストーリーと有機的に結びついていないから弱い。本能寺ホテルがなぜ「本能寺」と名乗っているのかも、会話ではぐらかされているだけで理由がわからない。そして一番の問題は、織田信長の行動がまったく理解不能なことだ。僕はこの信長にまったく共感できないし、この行動は自然な人情に背く不自然なご都合主義だろう。ヒロインと婚約者の行動も不可解。支離滅裂な駄作です。

109シネマズ名古屋(シアター6)にて
配給:東宝
2017年|1時間59分|日本|カラー|シネスコサイズ
公式HP: http://honnoji-hotel.com/
IMDb: http://www.imdb.com/title/tt5839938/

映画「本能寺ホテル」オリジナル・サウンドトラック
佐藤直紀
日本コロムビア (2017-02-22)
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