マグニフィセント・セブン

1月27日(金)公開 TOHOシネマズ日本橋ほか全国ロードショー

『荒野の七人』の中途半端なリメイク

マグニフィセント・セブン

 鉱山王のバーソロミュー・ボーグは自分の金鉱を拡張するため、ローズ・クリークの町の住民たちに暴力的な立ち退きを迫る。部下に命じて教会に火を放ち、少しでも歯向かうものは射殺だ。夫を殺されたカレンは、近くの町で黒人の賞金稼ぎサムに出会い、彼にボーグに対抗するための助っ人を依頼する。はじめは相手にしなかったサムだが、相手がボーグだと聞くとこの話に乗ることにした。軍隊なみの装備を持つボーグを敵に回すには、腕の立つ仲間が必要だ。サムの誘いで、ギャンブラーのファラデー、狙撃手ロビショー、ナイフ使いのビリー、賞金首のヴァスケス、ハンターのホーン、先住民の戦士レッドハーベストなどが仲間に加わった。ローズ・クリークに乗り込んだサムたちは、ボーグの息が掛かった保安官一派を町から一掃し、ボーグたちがやってくるのに備えて町の守りを固める。束の間の平和な時間。だがボーグ一派の登場によって、町は血みどろの戦場になる。

 西部劇の名作『荒野の七人』(1960)のリメイクだが、物語の設定やキャラクターなどは一新されている。もともと『荒野の七人』は黒澤明の『七人の侍』(1954)を西部劇に翻案したものだが、続編が3本作られてどんどん『七人の侍』からは離れて行った。今回の映画もその延長上にあるものだと考えれば、『七人の侍』や『荒野の七人』に比べてどうだという野暮な話をする必要はなくなるだろう。監督のアントワーン・フークアは『トレーニング デイ』(2001)や『イコライザー』(2014)でも今回主演のデンゼル・ワシントンと組んでいる黒人監督だが、今回の映画に「黒人だから」という意味合いはまったくない。そもそもこの映画には、黒人差別も、東洋人差別も、先住民差別も出て来ないのだ。あからさまな暴力が横行する荒んだ世界ではあっても、そこには人種や性別で差別されることのないユートピアが広がっている。まるでおとぎ話の世界だ。

 リアリズムを離れて娯楽に徹するにせよ、7人のガンマンたちが無謀な戦いに身を投じていく動機が不鮮明なのはいただけない。サムがボーグと過去に何らかの因縁を持っているというのは察しがつくにせよ、サムに付いていく男たちはいったい何が目的なのだろう。これがまったくわからない。集められた男たちにはそれぞれ特徴的な正確や技能が設定されているのだが、これもあまり物語の中で生かされていないように感じる。例えばイーサン・ホークが演じる凄腕の狙撃手を教会の鐘楼に陣取らせながら、その後は乱戦になってしまうのはもったいなかった。射撃の腕を生かして遠距離から仲間を援護するとか、もっと使い道のあるキャラクターだったはずなのに。その相棒のナイフの達人も、ナイフを使うことが生かされる場面を用意してほしかった。まあ言い出せばきりがない。一事が万事この調子なのだ。この企画ならもっと面白い映画にできそうなのに、いろいろと残念。

(原題:The Magnificent Seven)

109シネマズ名古屋(シアター2)にて
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
2016年|2時間13分|アメリカ|カラー|シネマスコープ
公式HP: http://www.magnificent7.jp
IMDb: http://www.imdb.com/title/tt2404435/

荒野の七人 [Blu-ray]
荒野の七人 [Blu-ray]

posted with amazlet at 17.02.07
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン (2016-12-02)
売り上げランキング: 149

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中