ラ・ラ・ランド[IMAX2D・字幕]

2月24日(金)公開 TOHOシネマズみゆき座ほか全国ロードショー

ミュージカル映画が好きな人は必見!

ラ・ラ・ランド

 女優を目指してハリウッドにやって来たミアだが、チャンスをつかめないまま6年の歳月が流れている。それでも彼女は夢をあきらめない。ハリウッドで成功の女神が微笑むのは、最後まで夢をあきらめない者にだけなのだ。彼女が知り合ったジャズピアニストのセブもまた、時代遅れの夢を追いかける青年のひとりだ。彼が愛するのは古き良き時代のジャズ。いずれは自分の店を持ちたいと願っているが、そこまでの道は果てしなく遠くけわしい。それでも互いに惹かれ合ったふたりは、一緒に暮らすようになる。夢見るふたりの夢のような暮らし。だがそこでセブは、自分たちの現実の生活を振り返ってしまった。ミアとの生活を考えて、気乗りのしない売れ筋のバンドでの活動を引き受けたセブ。「君のためこんなに苦労しているのに!」「それはわたしが望んだことじゃない!」。収入が増えて暮らしに余裕が出始めた矢先、セブとミアの気持ちはすれ違っていくのだった……。

 物語の舞台はハリウッド。ヒロインは女優のたまごで、お相手は売れない芸術家というミュージカル映画。この設定だけ見ると、映画ファンは『巴里のアメリカ人』(1951)や『雨に唄えば』(1952)などのミュージカル映画を思い出すのではないだろうか。実際この映画にはこれらの映画の影響を受けたとおぼしき場面がいくつもあるし、他にも多くのミュージカル映画を想起させる場面が散りばめられている。この映画は最初のタイトルから最後のエンドマークまで、古き良きミュージカル映画のパスティーシュなのだ。そういう意味でなら、これはジャック・ドゥミの『ロシュフォールの恋人たち』(1967)にも似ている。必ずしも歌や踊りが得意ではない俳優たちが、実在の街の中で繰り広げるミュージカル・ドラマだ。映画のラストシーンは『巴里のアメリカ人』と『雨に唄えば』のスタイルを借り、と『シェルブールの雨傘』(1964)をミックスしている。

 こうした映画が受けて大々的に公開されるのは、ミュージカル映画のファンとしては嬉しい。しかしこれは、ミュージカル映画の伝統が一度完全に絶ちきられてしまったことの証明でもある。この映画は、1920年代のサイレント映画を再現した『アーティスト』(2011)と同じなのだ。サイレント映画は完全に途絶えてしまったがゆえに、21世紀になってからパスティーシュの対象になって高評価された。『ラ・ラ・ランド』もミュージカル映画の伝統が完全に途切れたからこそ、これで良しとされている部分が多々あると思う。1985年生まれのデミアン・チャゼル監督は、もちろんミュージカル映画の全盛期など知るはずがない。その黄金期は彼にとって、サイレント映画と同じ「映画史」の中の出来事に違いない。アカデミー賞で多数のノミネートを得るなど、評価の高い映画だ。しかし僕はこれが、特に優れた映画だとは思えない。なんか、イマイチなんだよなぁ。

(原題:La La Land)

109シネマズ名古屋(シアター7)にて
配給:ギャガ、ポニーキャニオン
2016年|2時間8分|アメリカ|カラー|シネマスコープ
公式HP: http://gaga.ne.jp/lalaland/
IMDb: http://www.imdb.com/title/tt3783958/

ラ・ラ・ランド-オリジナル・サウンドトラック
サントラ ジャスティン・ハーウィッツ feat.エマ・ストーン
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ラ・ラ・ランド[IMAX2D・字幕]」への1件のフィードバック

  1. ピンバック: 『ラ・ラ・ランド』は微妙な映画だった | 新佃島・映画ジャーナル

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