映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険

3月4日(土)公開 TOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国ロードショー

ドラえもんの世界にナウシカがやって来た

 夏の暑さにウンザリしたのび太とドラえもんは、どこでもドアを使って南太平洋を漂流する巨大氷山に移動する。氷山の上ではかき氷も食べ放題。氷細工ごてを使って家具を作り、さらに大掛かりな巨大遊園地を作って仲間たちを招待する。そんな中、のび太は氷山の奥深くに埋まっていた不思議な腕輪を見つける。誰かが落としたのだろうか? だが氷山が流れ出したのは、遠い昔の南極大陸からだ。腕輪が埋まったのは、今から10万年も昔だという。その頃にはまだ人類の文明も生まれていない。謎の腕輪の持ち主を探そうと、のび太たちは南極大陸へ。分厚い氷の下には、いまだ誰も見たことのない古代文明の遺跡が眠っていた。一行はタイムベルトを使って10万年前へジャンプ。そこには腕輪の持ち主と、古代文明の謎の答えがあるはず……。だがそこで待ち構えていたのは、遺跡を守る巨大モンスターの手荒い歓迎だった。のび太たちはカーラと名乗る少女に助けられる。

 映画ドラえもんシリーズの第37作目で、新キャストになってからの第2期シリーズで12作目となる作品。映画の第2シリーズは旧シリーズのリメイクとオリジナルをほぼ交互に製作しているのだが、今回の映画はオリジナルの物語となっている。そのせいでもないだろうが、物語はやや大ざっぱで、SF的な設定も雑に思えてしまう。そもそも「10万年」とか「10万光年」という時間や距離の単位がいかにも区切りがよすぎるし、10万年前以上前の南極に巨大文明を築いた人々とヒョーガヒョーガ星の関係もよくわからない。一応の説明はあるのだが、それが物語の中でうまくこなれていないのだ。ヒョーガヒョーガ星の危機を救おうとするカーラやヒャッコイ博士の活動が、のび太たち地球の少年少女の物語とうまくリンクしていないのではないだろうか。ヒョーガヒョーガ星の話が前に出て来ると、のび太たちは背景に引っ込み、まるで脇役であるかのような扱いになる。

 ヒョーガヒョーガ星の物語については、『風の谷のナウシカ』(1984)の影響がかなり入っていると思う。『ナウシカ』は僕にとってはリアルタイムで観た同時代の映画だが、もう33年も前の作品だから、この手のジャンルでは「古典」という位置づけになっているのかもしれない。遺跡の中から太古の巨大ロボット(ブリザーガ)が掘り出されて暴れ出すのは『ナウシカ』の巨神兵だが、復活したブリザーガの姿は『もののけ姫』(1997)のディダラボッチだろう。『もののけ姫』もかれこれ20年前の映画だから、そこからイメージを借用しても今さら誰も盗用だとは言うまい。アニメ業界ではジブリアニメを観て育った世代が、作り手になる時代になってきているのだ。だがいくらイメージを借りて来ても、この映画には宮崎作品にあったようなアニメーションとしての面白さはあまりない。当たり前と言えば当たり前だが、それが宮崎駿の天才たるゆえんなのだろう。

109シネマズ名古屋(シネマ5)にて
配給:東宝
2017年|1時間41分|日本|カラー|ビスタサイズ
公式HP: http://doraeiga.com/2017/
IMDb: http://www.imdb.com/title/tt5912470/

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