美女と野獣(IMAX 3D 字幕)

4月21日(金)公開 TOHOシネマズ日劇ほか全国ロードショー

世界中が待ち望んだ実写版ミュージカル映画

 むかしむかし美しいが高慢な王子が、城を訪ねてきた老婆を侮辱した。じつは彼女の正体は魔法使い。王子は罰として醜い野獣の姿に変えられ、本物の愛を見つけない限り呪いは解けないと宣告される……。それから何年が過ぎただろうか。偶然城に迷い込んだ近くの村の男が、庭園のバラを一輪手折ったことから野獣に捕らえられてしまう。男の娘ベルは父が捕らえられたことを知ると、城に乗り込んで父の身代わりを志願する。これに喜んだのは、家具に姿を変えられていた城の召使いたちだ。「ひょっとしたら彼女が本物の愛を教えてくれるかも」と期待し、召使いたちはベルを歓待する。城で過ごすうちに、恐ろしい姿をして粗暴に振る舞う野獣の中に、高い教養と優しさがあることに気づくベル。いつしか野獣も、ベルのことを愛するようになってた。だが自由のないところに、本物の愛は存在しない。野獣は彼女を愛するがゆえに、城から出て村に帰ることを許すのだった。

 1991年のディズニーアニメ『美女と野獣』の実写版だ。原作となったアニメは大ヒットして1994年にブロードウェイの舞台版ミュージカルに翻案され、その際は大幅に楽曲を増やして拡張されている。だが今回の映画版ではアニメ版の曲をそのまま使用しながら、舞台版で追加した楽曲をすべて新曲に差し替えているのだ。例えば舞台版で追加された「愛せぬならば」は、野獣が歌う人気曲だった。しかし実写版はそれを使用せず、野獣には「ひそかな夢」という別の曲が用意された(これはこれで名曲だ)。驚いたのは、アニメのスペシャル・リミテッド・エディション(2002)に含まれている「人間に戻りたい」をカットしていること。これはもともとアニメ版の曲だが時間の都合でカットされ、舞台版で復活した後でアニメのスペシャル版にも復活したのだ。今回の実写版はそれすら排除することで、徹底的に舞台版のニオイを消し去ろうとしているようにも思える。

 そこまで徹底的にオリジナルのアニメ版をリスペクトした実写版だが、アニメ版に比べてややモタついた場面が多いように思う。例えばアニメ版で観客を一気に物語に引き込んだ「朝の風景」は、実写版では躍動感に欠ける仕上がりになった。「ひとりぼっちの晩餐会」も実写版だといかにもCGで、アニメ版の楽しさを再現できていない。「美女と野獣」のダンスシーンも実写版は観客をうっとりさせたアニメ版の模倣にしか見えず、導入部のお城の場面やベルと父親の過去を描く場面は物語の流れを失速させてしまうだけだった。それでもこの映画が感動的なのは、原作となったアニメが優れていたからであり、出演する豪華な俳優陣がこの映画を心から楽しんでいるからに違いない。キャスティングの豪華さを楽しむためにも、ここは字幕版がお勧め。しかし僕はこの映画を、今度は日本語吹替版で観に行ってしまいそうな気がするのだ。日本版のキャストも、じつに豪華ですよ。

(原題:Beauty and the Beast)

109シネマズ名古屋(シアター7)にて
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
2017年|2時間9分|アメリカ|カラー
公式HP: http://www.disney.co.jp/movie/beautyandbeast.html
IMDb: http://www.imdb.com/title/tt2771200/

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