ジョン・ウィック:チャプター2

7月7日(金)公開 TOHOシネマズ日本橋ほか全国ロードショー

目を覚ました暴力は新たな暴力を呼びさます

 ロシアン・マフィアとの諍いから一度は暴力の世界に舞い戻ったジョン・ウィックだったが、亡き妻の思い出と共に再び平和な引退生活を送ることは許されなかった。新しい仕事を持ち込んできたのは、かつてジョンが血の誓印を交わしたサンティーノ。殺しの世界で誓印は絶対的な価値を持ち、その持ち主からの依頼を断ることは許されない。サンティーノの依頼したターゲットは、父から組織の全権を譲られた姉ジアナ。ジョンはこの仕事をやり遂げ誓印の縛りを解かれたが、依頼者のサンティーノは新たな脅威となったジョンの命を狙う。最初の襲撃を何とか切り抜けたジョンだったが、サンティーノは奥の手として、ニューヨーク中の殺し屋にジョン殺しを依頼する連絡を入れる。成功報酬はなんと700万ドル! 高額報酬に目の色を変えた殺し屋たちが、ジョンの行く先々に現れて襲いかかってくる。たび重なる刺客の襲撃に深手を負ったジョンは、ある男に助けを求める。

 2014年に製作されたアクション映画『ジョン・ウィック』の続編で、主演のキアヌ・リーブスや監督のチャド・スタエルスキ以下、多くのスタッフとキャストが前作から引き続き登板している。正直言って僕は前作にあまりノレなかったのだが、今回の映画は実に楽しく観ることができた。まず物語の舞台がいきなりローマに飛ぶなど、物語の空間的なスケールが一気に大きくなっている。犯罪者ネットワークのコンチネンタルは至れり尽くせりのサービスでジョンをサポートするし、世界を股にかけた犯罪組織「主席連合」や、ホームレスに扮した独立系の組織なども登場して、ジョンの周囲にある世界がより複雑で極彩色になっていく。僕が前の映画にノリきれなかったのは、この物語の世界にリアリティを求めてしまったからだ。だがこの2作目を観れば、それがまったく間違った映画の鑑賞法だったことがわかる。これは漫画の世界であり、荒唐無稽なファンタジーなのだ。

 この映画の漫画っぷりを象徴するのが、ローマのコンチネンタル・ホテルでジョンが武器など一式を調達する場面だろう。フロントに「ソムリエはいるか?」と言うと、出てくるのは銃器の調達係。しかし服装や物腰は高級レストランのソムリエそのもので、首にはタストヴァンを下げている。ジョンが仕立屋に行く場面も見もの。高級なオーダースーツを作るのかと思ったら、これがとんでもない高機能性スーツだったというオチがつく。殺し屋組織の本部はタイプライターや緑色のCRTディスプレイを使ったPC端末、エアシューターを使った文書のやりとりなど、超アナクロなテクノロジーがいまだに使われている。これがスマホや超高機能スーツといったテクノロジーと共存しているのが、『ジョン・ウィック:チャプター2』の世界だ。登場するキャラクターの中では、沈黙の女殺し屋アレスがかっこよかった。仮に続編があっても登場しそうにないのは残念だけどね……。

(原題:John Wick: Chapter 2)

109シネマズ名古屋(シアター9)にて
配給:ポニーキャニオン
2017年|2時間2分|アメリカ、香港、イタリア、カナダ|カラー|シネスコ
公式HP: http://johnwick.jp/
IMDb: http://www.imdb.com/title/tt4425200/

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