スター・ウォーズ/最後のジェダイ(吹替版)

12月15日(金)公開 全国ロードショー

旧シリーズの継承と訣別を決意した最新作

 ファースト・オーダーの艦隊に総攻撃を受けた反乱軍は、爆撃部隊の犠牲的な活躍もあって辛くも基地を脱出することに成功。しかし敵の大艦隊は脱出した反乱軍の艦艇を執拗に追い、いずれ燃料切れで反乱軍全滅は免れない状況に追い込まれる。戦闘の中でレイア・オーガナ将軍は重症を負い、レジスタンスの指揮はホルド中将に引き継がれる。しかしそれに反発するポー・ダメロンは、起死回生の秘密作戦を練りはじめる。一方、伝説のジェダイマスター、ルーク・スカイウォーカーを訪ねたレイは、すっかり世捨て人のようになっているルークの姿を見てショックを受ける。「ジェダイなど滅びてしまえばいい」とさえ言うルークを何とか説得しようとするレイだったが、ルークは決して首を縦に振らない。彼の態度に幻滅するレイ。だがその間にファースト・オーダーの将軍となっているカイロ・レンとレイの間には、強いフォースが結ぶ不思議な絆が芽生えはじめていた……。

 『スター・ウォーズ』シリーズのエピソード8。前作『フォースの覚醒』には大喜びつつ少しガッカリしたのだが、今回の映画はそれよりずっと良かったと思う。世界観とキャラクターが馴染んで、ストーリー展開もなめらかになった。物語はファースト・オーダーの追跡から逃れようとするレジスタンスの生き残りの物語と、ルークのもとで修行をするレイの物語に別れているが、終盤ではふたつの物語が合流して決戦となる。ファルコン号とタイファイターのドッグファイトは「やってるやってる!」という感じだし、最後の決戦場は一面真っ白の風景で『帝国の逆襲』に対するオマージュ。こうした過去作の引用はファンを喜ばせるサービスだろうが、物語を大きく邪魔することはない。むしろエピソード1からエピソード6まで続いた親子親族の確執ドラマがゆるやかに後退し、カイロ・レンとレイ、フィンやローズ、ポーを中心とする新しい世代に主役が引き継がれつつある。

 あえて矮小化して要約するなら、『スター・ウォーズ』シリーズは「アナキン・スカイウォーカー(ダース・ベイダー)からはじまる家族間の確執に全銀河が引っかき回される」という話であり、『フォースの覚醒』では正直「まだそれやってるのかよ!」という気持ちがしたのだ。しかし本作では、正しきフォースの担い手がスカイウォーカー一族とは無関係のレイに委ねられた。かくして物語は、過去の家族内紛劇から脱しつつある。新シリーズ2作目にして、『スター・ウォーズ』に新しい風が吹いてきたのだ。アナキンからルークに引き継がれた「スカイウォーカーの物語」は脇に追いやられ、今後は新しい「フォースの物語」が生み出されることになるだろう。前作で既にハン・ソロは去り、今回ルークが逝き、次はレイアが物語から消えるに違いない。次回作公開まで油断はできないが、最新三部作の裏テーマは、ずばり『スター・ウォーズ』旧シリーズからの訣別なのだ!

(原題:Star Wars: Episode VIII – The Last Jedi)

109シネマズ名古屋(シアター5)にて
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
2017年|2時間33分|アメリカ|カラー|2.39:1
公式HP: http://starwars.disney.co.jp/movie/lastjedi.html
IMDb: http://www.imdb.com/title/tt2527336/

アート・オブ・スター・ウォーズ/最後のジェダイ
フィル・スゾタック ライアン・ジョンソン
ヴィレッジブックス (2017-12-15)
売り上げランキング: 781

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中