ハン・ソロ スター・ウォーズ・ストーリー

6月29日(金)公開 全国ロードショー

肝心の若きハン・ソロに魅力なし

 銀河帝国の支配下にある辺境の惑星コレリア。この惑星に生まれたハンとキーラは、スラム街の顔役の下で、詐欺やこそ泥のような仕事をして暮らしてきた。ハンの夢は恋人のキーラとこの星を抜け出し、宇宙一のパイロットになること。そんなハンの前に、千載一遇のチャンスがやって来る。顔役の目を盗んで、高価なコアクシウム燃料をちょろまかすことに成功したのだ。これで宇宙港の係官を買収し、まんまと通関ゲートをくぐったハン。しかしキーラは警備員に捕まってしまった。ハンは「いつか必ず彼女を迎えに来る!」と誓い、パイロットになるため帝国軍に志願入隊。だが意に反して、送られた先は帝国軍の歩兵部隊だった。そこで出会ったのが、士官に化けて戦場から貴重物資を盗み出すベケット一味と、ウーキー族のチューバッカ。ハンはチューバッカと共にベケット一味に合流し、何とか戦場を脱出。ここから若きハン・ソロの大冒険がスタートするのだった……。

 『スター・ウォーズ』シリーズの人気キャラ、ハン・ソロの若き日を描いたスピンオフ作品。大いに期待して映画を観たのだが、正直言って、期待したほどには面白くなかった。たぶんそれは、僕がハン・ソロというキャラクターに求めているものと、この映画の作り手がハン・ソロに託した物語の間にずれがあったからだと思う。僕が知っているハン・ソロは、エピソード4で登場する得体の知れない密輸業者だ。一匹狼のアウトローで、信頼するのは相棒のチューバッカだけ。自信たっぷりで高慢な態度を見せ、場合によっては殺しも厭わない。大義や正義にあまり興味はないが、目の前に積まれたの金のためなら危ない橋も渡る。ハン・ソロは基本的には悪党だ。特別凶暴であったり乱暴であったりするわけではないが、自分と相棒以外は信用しない利己的で自己中心的な悪党なのだ。それがたまたま帝国軍と反乱軍の争いに巻き込まれて、悩んだ末に土壇場で反乱軍に加勢する。

 エピソード4のハン・ソロは悪党なのだ。犯罪者であり、反社会的な人物なのだ。不良少年がそのまま大人になったようなワルであり、だからこそ正真正銘のお姫さまであるレイアとのロマンスも物語として成り立っている。だが本作のハン・ソロは何者だろうか? ハンは不良ではなく、孤児として描かれている。それも別に悪くはないだろう。だがそこに「ワルの魅力」はない。アウトローであるハン・ソロの物語としては、少々健康的で健全すぎる。主演のオールデン・エアエンライクがハリソン・フォードにまったく似ていないという話以前に、この映画のハン・ソロはエピソード4のハン・ソロとうまくつながらない。もちろんこのあと、いろいろあって話がつながるのかもしれないが(続編の製作が中止になったという報道もあるけれど)、このキャラクター設定はそもそもダメだという気がしてならない。これは結局、もうひとりのルーク・スカイウォーカーではないか!

(原題:Solo: A Star Wars Story)

109シネマズ名古屋(シアター7)にて
配給:ディズニー
2018年|2時間15分|アメリカ|カラー|2.39:1
公式HP: https://starwars.disney.co.jp/movie/hansolo.html
IMDb: https://www.imdb.com/title/tt3778644/

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