ジュラシック・ワールド 炎の王国

7月13日(金)公開 全国ロードショー

人気シリーズ第5弾。十分面白いけど……。

 多くの犠牲者を出したジュラシック・ワールドでの事故から3年。パークは閉鎖されたが、島では火山活動が活発化し、取り残された恐竜たちは火山噴火による絶滅の危機にあった。パークの元スタッフだったクレアは、恐竜を救出するためのNPOを設立。そこに救援の手を差し伸べたのは、バークの生みの親であるハモンド博士のパートナー、ロックウッド氏の財団だった。財団の支援を受けて、クレアと仲間たちは恐竜たちの島に向かう。そこにはクレアの元恋人で、ラプトルのブルーを調教したオーウェンの姿もあった。高い知能を持つブルーの救出には、どうしての彼の協力が必要なのだ。恐竜に取り付けてある発信機を頼りに、クレアたちは無事ブルーの捕獲に成功。だが一連の救出劇には、隠された目的があった。ロックウッド財団の経営を任されているイーライが、救出した恐竜を世界中に高値で売りさばこうとしていたのだ。クレアたちは島の脱出に成功するが……。

 『ジュラシック・パーク』(1993)の公開からもう25年目。本作はシリーズ第5弾にあたるが、このシリーズは物語の仕切り直し(リブート)なしで、ストーリーが連続しているのが立派。今回は議会の公聴会に呼び出された識者役で、イアン・マルコム博士役のジェフ・ゴールドブラムが久しぶりに出演しているのも嬉しい。しかしこのシリーズに関して言えば、もはや何をやっても新しさや新鮮味が感じられないのが残念だ。最初は恐竜が出てきただけで観客は大喜びした。2作目の『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』(1997)では、逃げ出した恐竜たちが市街地で大暴れするという見せ場があって、観客は息を呑んだ。しかしそれ以降は、正直パッとしないのだ。観客はもう恐竜には驚かない。そこで3作目(2001)では、島からの子供救出というサスペンスを持ち込んだ。これが行き詰まると、4作目(2015)ではパークを再オープンさせてみた。

 その前作『ジュラシック・ワールド』から登場したのは、遺伝子操作によって誕生した新種の恐竜というアイデアだ。しかしこれは、シリーズのコンセプトを揺るがす禁じ手だったと思う。恐竜図鑑に載っていない新種の恐竜は、それがインドミナス・レックスであれ本作のインドラプトルであれ、恐竜ではなく「怪獣」になってしまう。シリーズの今後は、その怪獣の能力をスケールアップしたりマイナーチェンジさせるだけの展開になりそうだ。人気シリーズなので続編はさらに作られると思うが(続編につながりそうな種蒔きは本作の随所にある)、そこでも新種の怪獣を登場させるなら、このシリーズの先行きは暗いと思う。今回の映画には新種の恐竜を越える「怪物」の存在が組み込まれてもいるのだが、これが物語の中であまり生かされていなかったのも残念。核になるオリジナルなきまま、人気シリーズのコンセプトと前作からのキャラクターに頼り切った続編だと思う。

(原題:Jurassic World: Fallen Kingdom)

ミッドランドスクエアシネマ(スクリーン7)にて
配給:東宝東和
2018年|2時間8分|アメリカ|カラー|2.39:1
公式HP: https://www.jurassicworld.jp/
IMDb: https://www.imdb.com/title/tt4881806/

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