クレイジー・リッチ!

9月28日(金)公開 新宿ピカデリーほかにてロードショー

恋人はシンガポール大富豪の御曹司だった!

 大学で経済学を教えているレイチェルは、恋人ニックが親友の結婚式で介添人を務めるため帰国するのに合わせて、彼の実家があるシンガポールに行くことになった。この機会に彼の家族や親戚一同に引き合わされるらしい。ところが空港に着くと、飛行機がファーストクラスであることにびっくり。「まさかあなた、お金持ちなの?」と問うレイチェルに、「実家がちょっと」と言い訳するニック。だが現地で再会した大学時代の友人に恋人のことを告げると、「あのニック・ヤンが恋人ですって!」と大仰天される。じつはニックの家はシンガポールでも有数の大富豪。いまだ独り身のニックは独身女性たちの憧れの的で、庶民階級出身のレイチェルは玉の輿狙いの嫌な女だと思われるに決まっている。ヤン家で開かれたパーティに招かれたレイチェルは、ニックの母エレノアに挨拶するが、彼女がレイチェルを気に入らないのは態度や口調からも明らか。はてさて、二人の運命は?

 物語は「貧しいヒロインがお金持ちのイケメン男と恋に落ちて結婚する」という古風なシンデレラストーリーだが、物語の舞台はシンガポール。ヒロインは中国系アメリカ人で、他の登場人物も中国系の大富豪ばかりという変化球になっている。伝統と格式を備えた上流階級の人たちにとって、中国系ではあっても庶民出身でアメリカ育ちのヒロインは招かれざる客。現代版シンデレラの結婚を妨害するのは、意地悪な継母ではなく恋人の実母なのだ。ワーナー製作のハリウッド映画でありながら、主要な登場人物がすべてアジア系という作品。これがアメリカでは大ヒットしたのだが、日本では「知る人ぞ知る映画」になってしまっているのが残念。(名古屋の市街地中心部ではシネコンの小さなスクリーンで1日2回の上映しかない。)個人的には今年旅行に行ったばかりのシンガポールの名所が、次々に出てくるのは面白かった。これ観たら、また旅行に行きたくなってしまうよ!

 映画を観ていて解せないのは、恋人のニックがまったくヒロインを助けてくれないことだ。そもそも現地に着くまで(着いても)、自分の家族について何も情報を与えてくれない。彼女が事前に親友から情報を仕入れたりドレスを借りたりしていなければ、突然連れ出されたパーティでひどい赤っ恥をかくのは必至だった。映画はヒロインに抗議させて一応ニックの言い分も聞かせているのだが、それでも彼がレイチェルの苦境にノータッチなのは同じ。映画のハッピーエンドも、彼の母エレノアの決心があればこそだろう。イケメンのいい男だからごまかされているが、ニックはかなりのグズである。まあ相手がグズでも、そんな彼を愛してるんだからしょうがない。シンデレラ物語の主役はヒロインであり、王子さまは常にでくのぼうなのだ。この映画もその伝統をちゃんと踏まえている。原作は三部作でこの物語には続きがあるので、映画のヒットを受けて続編の製作があるかも。

(原題:Crazy Rich Asians)

ミッドランドスクエアシネマ2(スクリーン14)にて
配給:ワーナー・ブラザース映画
2018年|2時間1分|アメリカ|カラー|2.39:1
公式HP: http://wwws.warnerbros.co.jp/crazyrich/
IMDb: https://www.imdb.com/title/tt3104988/

Crazy Rich Asians (Original Motion Picture Soundtrack)
WaterTower Music (2018-08-10)
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