2001年宇宙の旅 IMAX

10月19日(金)公開 全国ロードショー

本作を大スクリーンで観る最後のチャンス?

 数十年後の未来。月面で観測された強力な磁場の中心から掘り出されたのは、400万年前に埋められた人工物だった。これは人類史上初の、地球外知的生命体との接触。人工物は木星に向けて強力な信号を発信し、人類はその目的を探るため宇宙船ディスカバリー号を木星に向けて派遣した。宇宙船には5名の乗員がいるが、酸素や食料節約のため3名は目的地付近に到着するまで人口冬眠している。目を覚ましているのは船長のデビッド・ボーマンと乗員のフランク・プール、そして船を制御する人工知能型コンピュータHAL9000だけだ。ある日、HALが船外ユニットの異常を察知して警告を出す。しかし回収されたユニットに異常はなかった。ボーマンとプールは、HALの判断にミスがあったことを疑う。だが人間たちの疑念を察したHALは、船外活動中のプールを殺害。さらにプール救出のため船外に出たボーマンを閉め出すが、彼は決死の覚悟で船に戻ってくる。

 1968年に製作された伝説的なSF映画を、IMAXの巨大スクリーンで鑑賞した。今年はこの映画の製作50年にあたり、東京の国立映画アーカイブでは70ミリフィルムを使った特別上映が行われている。今回のIMAX版上映は、こうした『2001年』リバイバルの一環。本作を大スクリーンで観るのは2001年の「新世紀特別版」公開以来17年ぶりだが、そんな遠い記憶をたどって「どちらの画質や音質がより鮮明か」を論じるのはナンセンスだろう。大事なのはこの映画が今でも大スクリーンで観られたという事実であり、これが自分にとって本作を大スクリーンで観る最後の機会になる可能性が高いという現実なのだ。日本国内で70ミリフィルムを上映できる環境が国立映画アーカイブだけになっているのと同じように、今から10年後、20年後には、映画をスクリーンで観ることことが難しくなっている可能性もある。映画は決して永遠の娯楽ではないのだ。

 本作が「すごい映画」であることは今でも認めざるを得ないが、当時観客の度肝を抜いた映像表現の数々は、正直陳腐化していると思う。この映画については「CGがない時代にここまでできた。すごい!」という評価をするわけだが、それはジョルジュ・メリエス(1861-1938)の素朴な特撮映画について「多重露光だけでここまでできた。すごい!」と言うのとあまり変わらないと思う。メリエスの映画は今観ても素晴らしいし、職人芸のような高度な特撮技術にも目を見張る。でもデジタル時代の若い観客が、メリエスの映画にどれだけ驚いてくれるだろうか。「同じ事はデジタルですぐできます」と言うだけだろう。『2001年宇宙の旅』もそれと同じだ。技術はどうしても古びてしまう。宇宙空間の表現なら、この映画より『ゼロ・グラビティ』(2013)の方が手が込んでいて良くできているだろう。どんなに素晴らしい映像表現も古びる。それが現実なのだ。

(原題:2001: A Space Odyssey)

ユナイテッド・シネマ 豊橋18(Screen15)にて
配給:ワーナー・ブラザース映画
1968年|2時間28分|アメリカ|カラー
公式HP: https://warnerbros.co.jp/home_entertainment/detail.php?title_id=2390
IMDb: https://www.imdb.com/title/tt0062622/

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中