クリード 炎の宿敵

1月11日(金)公開 TOHOシネマズ日本橋ほか全国ロードショー

『ロッキー』シリーズの集大成

 話題先行のタイトルマッチから3年。アポロの息子アドニスは、ついにWBCのヘビー級チャンピオンのベルトを手にする。それはかつて父アポロや親友ロッキーが手にした、曰く付きのベルトでもあった。彼は恋人のビアンカと結婚し、順風満帆の人生。だが同じ頃、遠く離れたウクライナで新王者のベルト奪取を狙う父子がいた。30年前にアポロと戦って彼を死に至らしめ、その後ロッキーに敗れ去ったイワン・ドラゴと、彼の息子ヴィクターだ。プロモーターは「因縁の試合」という話題性でボクシングファンとヴィクターを挑発し、アドニスは「父の仇討ち」のためにこの挑戦を受ける。だがこの試合に不穏なものを感じたロッキーが、アドニスのセコンドに付くことはなかった。そしてはじまった、世界が注目する初防衛戦。だがヴィクターの猛攻にアドニスは何もできず、立っているのが精一杯。相手の反則で王位陥落は免れたが、アドニスの心と体は深く傷ついていた。

 『ロッキー』シリーズのスピンオフ、『クリード チャンプを継ぐ男』(2015)のその後を描いた作品だ。物語は1985年の大ヒット作『ロッキー4 炎の友情』の後日談でもあり、これが邦題サブタイトルの由来にもなっている。前作でドラゴを演じたドルフ・ラングレンがシリーズに再登場したのが話題だが、それより驚かされたのは、ドラゴの妻を演じていたブリジット・ニールセンが同じ役で出演していること。この人は『ロッキー4』で知り合ってスタローンと結婚し、わずか2年で離婚した過去がある。プロデューサーのスタローンは、その相手に出演交渉してちゃんと映画に出しているのだ。出演場面は少ないものの、彼女は今回の物語のキーになる人物でもある。映画の最後には、『ロッキー・ザ・ファイナル』(2006)でロッキーの息子を演じたマイロ・ヴィンティミリアが、同じ役で再登場している。こんなキャスティングだけで、ファンは嬉しいのだ。

 前作は元世界チャンピオンの血を引く無名の若者が、広い世界へと足を踏み出し、羽ばたいていく物語だった。しかし今回の映画では、その若者が世界チャンピオンの栄光を手にしたところからスタートし、そこからの転落と再起が描かれる。それを支えるのは仲間や家族たちだ。このストーリーラインは、チャンピオンになったロッキーの転落と再起描いた『ロッキー3』(1982)と同じ。この映画は、過去の『ロッキー』シリーズが何層にも折り重なるようにして引用されている。面白いかもしれないが、どれも懐かしい歌であり新鮮味はない。たぶんスタローンもそれは十分承知の上で、懐かしい歌を新しくアレンジし、新しい歌手に歌わせているのだ。「父と子」という大きな力強いテーマが、ここには新しく登場してくる。アポロとアドニス、ロッキーとロバート、イワンとヴィクター、そしてアドニスも父親になった。30年前の東西冷戦が、現代ではホームドラマだ。

(原題:Creed II)

ミッドランドスクエアシネマ(シアター4)にて
配給:ワーナー・ブラザース映画
2018年|2時間10分|アメリカ|カラー|2.39:1
公式HP: http://wwws.warnerbros.co.jp/creed/
IMDb: https://www.imdb.com/title/tt6343314/

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