映画刀剣乱舞

1月18日(金)公開 全国ロードショー

華やかで美しいチャンバラ時代劇

 西暦2205年。歴史の改変を目論む歴史修正主義者による過去の歴史への攻撃を阻止するため、物に宿る思いや心を目覚めさせる能力を持つ審神者(さにわ)が、刀剣から生まれた「刀剣男子」たちを過去に送り込む。今回彼らに与えられた役目は、戦国末期の大事件、明智光秀による「本能寺の変」を改変しようとする歴史修正主義者の阻止だ。本能寺の変によって、時の権力者・織田信長は死ぬのが歴史の定め。歴史修正主義者はここに介入し、信長を延命させようとしている。そうなれば、その後の歴史は大きく変わってしまうだろう。三日月宗近たち刀剣男子は天正十年六月二日の本能寺で、歴史修正主義者たちが送り込んだ時間遡行軍と戦う。何とか敵を阻止したかに思えたのだが、この時、時間遡行軍生き残りの手引きで、信長は焼け落ちる本能寺を脱出していた。彼が向かうのは安土城。そこで信長が秀吉と合流すれば歴史は変わり、審神者や刀剣男子の敗北となるのだ。

 刀剣育成シミュレーションゲーム「刀剣乱舞-ONLINE-」を原作とした、劇場用長編映画。「刀剣乱舞」は2015年にPC版が登場し、ほぼ同時にミュージカル化、舞台化、アニメ化などの、多メディア展開が進んでいる。今回の映画版もその一環で、出演キャストは舞台版を踏襲しているようだ。今回はたまたま取ったチケットが「応援上映」の回だったため、客席からは「刀剣女子」たちの呼びかけの声が盛んに飛んでいた。僕にとってはまったく馴染みのない刀剣男子の面々だが、彼女たちにとっては以前から良く知る刀剣たちだったのだろう。今回の映画は、ひとつの映画作品としてもちゃんと面白くできていてる。脚本は数々の特撮ドラマや映画、アニメなどを手掛けてきた小林靖子。監督は映画ファンなら知らぬ者のない「NO MORE 映画泥棒」の耶雲哉治。映画本編前には「NO MORE 映画泥棒」の『刀剣乱舞』バージョンも上映されれ、これがまた楽しい。

 本能寺の変は様々な陰謀論が語られがちな歴史的事件だが、今回の映画もそこにひとつの「新解釈」を施した歴史時代劇になっている。『刀剣乱舞』の世界観としては、刀剣男子たちが歴史改変を阻止しなければ話にならない。しかし物語の中では、信長が本能寺を逃れて安土まで落ち延びることに成功する。それでいて歴史を変えずにどうやって済ませるかという大きな物語の枠組みに、ストーリーの中核を担う三日月宗近の不審な行動が絡んでいく展開。しかしこれは映画の枠組みに過ぎず、見どころは刀剣男子たちの華麗なチャンバラにあるのだろう。戦う刀剣たちは弱ったり傷ついたりすることがあっても、命を落とすことはないらしい。これはドラマ作りにおいてはひとつの制約でもあるのだが、「スーパー戦隊」の脚本家はそのあたりもよく心得ている。長年舞台で剣を振り回していたキャストの殺陣は華やかで、近年の日本映画には珍しいチャンバラ時代劇になっている。

109シネマズ名古屋(シアター2)にて
配給:東宝映像事業部
2019年|1時間42分|日本|カラー
公式HP: http://touken-movie2019.jp/
IMDb: https://www.imdb.com/title/tt8493238/

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