スパイダーマン:スパイダーバース

** 3月8日(金)公開 全国ロードショー**

アニメーション技術の素晴らしさ!

 ブルックリン育ちの黒人少年マイルス・モラレスは、転校先のエリート高校に馴染めないでいる。警官の父と看護師の母を尊敬しているが、憧れているのは自由人の叔父アーロンだ。ある日地下道の奥で奇妙なクモに噛まれたことがきっかけで、マイルスはスパイダーマンと同じ力に目覚めてしまう。その力に戸惑う彼は、力を得たきっかけとなった地下道へ。そこで見たのは巨大な加速器で次元の壁に穴を開けようとするキングピンと、世界の崩壊を食い止めるため加速器を破壊しようとするスパイダーマンの姿だった。マイルスの目の前でスパイダーマンは殺されたが、マイルスの手に加速器破壊のための電子キーが残された。そんな彼のもとに集まって来たのは、加速器の作動で次元を超えてきた別の世界のスパイダーマンたち。彼らは別次元で長く生き続けることはできない。彼らが元の世界に戻るには、再び加速器を作動させて、次元の流れを逆転させなければならないのだ。

 「スーパーマン」や「バットマン」、そして「スパイダーマン」など、アメコミヒーローの物語は、原作や映画、そこから派生するさまざまなメディアでも、設定を少しずつ変えながら何度もリメイクされる。これは熱心なファンたちから「パラレルワールドに同時に存在するさまざまなヒーローたちだ」と説明されることがあるのだが、この設定をそのまま物語に取り込んだのが「スパイダーバース」だ。本作はそのアニメ映画化だが、主人公マイルズ・モラレスは映画オリジナルのキャラというわけではなく、2000年以降に出版されるようになった「アルティメット・ユニバース」の中のスパイダーマン。女子高生のスパイダーウーマンや、ロボットとコンビを組む日系少女のペニー・パーカー、モノクロのスパイダーノワール、カートゥーンアニメのスパイダーハムなども、コミック版「スパイダーバース」のキャラクターたちだという。これはシリーズ化する可能性ありか?

 しかし本作の見どころは物語以上に、その絵作りだろう。ここではアメコミがそのまま動いていてる。吹き出しに台詞が書かれていたり、効果音が文字になって飛び出したりするのだ。絵柄は3DCGだが、筆跡が残るペイントタッチのような処理をしている部分などもあり、単にアメコミというより、動きまわるグラフィックノベルのような印象もある。登場するキャラクターもさまざまなタッチが混在していて、それが一堂に会するのはアニメーションならではだろう。ただし主要なキャラクターの芝居はリアルな動きになっている部分も多く、過去のアニメーション映画だと、ロトスコープを多用した『スキャナー・ダークリー』(2006)に近い印象も受ける。たぶんこの映画ではキャラクターのタッチだけでなく、アニメーション技法の面でも様々な技術を融合させているのだろう。今年のアカデミー賞を受賞作。おそらくこれは、技術面に対する評価が大きかったと思う。

(原題:Spider-Man: Into the Spider-Verse)

109シネマズ名古屋(シアター7)にて
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
2018年|1時間57分|アメリカ|カラー|2.39:1
公式HP: http://www.spider-verse.jp/
IMDb: https://www.imdb.com/title/tt4633694/

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