6月7日(金)公開 ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテほかにてロードショー
小さくて愛らしいミュージカル映画
ブルックリンで小さなレコードショップを経営するフランクは、17年続けた店を閉めようと決心した。一時は流行った店だ。今でも熱心な常連客はいるものの、インターネット時代にレコード一本の店は成り立たない。妻が事故で亡くなった後、男手ひとつで育て上げた一人娘のサムは、新学期からLAの大学で医者になる勉強をはじめるため家を出る。そろそろ潮時なのだ。元ミュージシャンの彼にとって目下唯一の楽しみは、子供の頃から音楽を教えて育てた娘との即興的なセッション。あまり乗り気ではないサムを強引に誘い、その晩ひとつの曲が生まれた。それが「ハーツ・ビート・ラウド」だ。出来上がった曲が驚くほど良かったため、フランクは娘に内緒でSpotifyにアップロード。これがSpotifyの注目曲リストに選ばれたことで、彼はすっかり舞い上がってしまう。だがサム自身はもっと冷静だった。音楽は大好き。でもそれは彼女の夢ではないのだ。