誰もがそれを知っている

6月1日(土)公開 Bunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開

誘拐事件が暴き出していく家族の秘密

 妹の結婚式に参加するため、子供を連れてスペインの実家に帰省したラウラ。家族や親戚、古い友人たちとの再会を喜び合い、結婚式もその後のパーティーも人々の笑顔に包まれる。だがそのパーティーのさなか、ラウラの娘イレーネが行方不明になる。彼女が消えたベッドには、少し前に起きた誘拐殺人事件の記事の切り抜きが置かれ、やがてラウラの携帯電話に「身代金を支払えば娘は解放する。警察に通報したら娘の命はない」という誘拐犯からのメッセージが届く。警察に通報すべきか。だがしばらく前に起きた同様の事件では、警察に通報したことから人質が殺されている。ならば犯人に金を払うのか。ラウラたちは結論が出ないまま右往左往し続ける。奇妙なことに、犯人は脅迫メッセージをラウラだけでなく、彼女の幼なじみで元恋人パコの妻ベアにも送りつけているのだ。やがてこの誘拐事件が、家族の中に隠されていたある秘密を白日の下にさらけ出すことになる。

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パリ、嘘つきな恋

5月24日(金)公開 新宿ピカデリーほか全国ロードショー

中年プレイボーイの最初で最後の恋!

 ジョスランは間もなく50歳に手が届こうとしている独身貴族。有名ブランドの販売を手掛けるやり手の企業経営者だが、恋愛に関しては口から出任せの口説き文句で女性たちと次々その場限りの関係を持つプレイボーイだ。母が亡くなって実家の遺品を整理していたとき、たまたま隣家の女性ジュリーが訪れたことから、再びジョスランの虚言癖が始まる。彼女はジョスランが母の車椅子に座っていた様子を見て、彼を障害者だと思い込んでしまうのだ。ジュリーの実家に招待された彼は、そこで彼女の姉フロランスを紹介される。クラシックのヴァイオリン奏者でアマチュアのテニス選手でもある彼女は、車椅子の障害者だった。車椅子を並べて語り合ううちに、ジョスランは彼女にすっかり魅了されてしまう。彼女のテニスの試合を観戦し、海外のコンサートにも行った。これは本気の恋? しかし「障害者同士」だと思っているフロランスに、彼は本当のことを言えなかった。

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