ザ・ファブル

6月21日(金)公開 丸の内ピカデリーほか全国ロードショー

豪華で立派なキャスティングが仇になっている

 暴力団のように世間に看板を掲げることなく、裏社会のみでひっそりと仕事を成し遂げる秘密組織。その組織を知る裏社会の人間が、ファブル(寓話)と呼んで恐れる殺し屋がいる。幼い頃より徹底的に殺しの訓練を受け、どんな相手も6秒以内に殺すことができる人間凶器だ。ある大仕事を成し遂げた後、組織のボスはほとぼりを冷ますため、ファブルを関西に潜伏させることにする。その間は誰ひとりとして殺してはならない。ごく普通の一般人として、目立たぬように暮らせという命令だ。「佐藤明」という偽名を与えられた彼は、お目付役で彼の妹を演じる「洋子」と共に大阪の街で暮らし始める。社会に溶け込むためには、ケンカに弱いふりも、度胸のない泣き虫のふりもする。プロフェッショナルとして困難なミッションを次々にこなしてきた彼にとって、今は「普通になりきる」ことが課題なのだ。だがその彼が、否応なしに暴力団内部の抗争に巻き込まれて行くのだ。

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日本のいちばん長い日

6月28日(金)公開 午前十時の映画祭10 FINAL

戦争をやめられない日本人たち

 1945年7月26日。アメリカ、イギリス、中国の連名で、日本に対する降伏要求の最終宣言(ポツダム宣言)が発表された。ソ連を仲介に終戦交渉を模索していた日本は、この宣言にソ連の署名がないことから受諾を保留。だがずるずると日を経るうちに、8月6日には広島に原爆投下、9日には中立国だったはずのソ連が日本に宣戦を布告。さらに同日、長崎に2発目の原爆も投下される。軍部はそれでもなおポツダム宣言受諾に強硬に反対していたが、10日未明の御前会議で聖断がくだって宣言受諾の政府方針が確定する。しかしこの後も天皇の地位(国体)を巡って政府内で細かな調整に決着が付かず、14日に再度の御前会議でようやく宣言受諾が確定した。翌日正午から、天皇自らが国民に向けて終戦を宣告する放送が行われることも決まった。だが天皇が読み上げる終戦の詔書の文言確定と録音は14日深夜に及んだが、これはその後の事件の序章に過ぎなかった。

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