プロメア

5月24日(金)公開 全国ロードショー

この熱さが気持ちいい!

 世界各地で突然発生するようになった人体自然発火現象。その原因はバーニッシュと呼ばれるミュータントであり、やがて世界は彼らによる発火と炎上で人口の半数を失う。30年後、人類はバーニッシュの鎮圧にほぼ成功し、世界は再び落ち着きを取り戻した。自治共和国プロメポリスにおいて、バーニッシュによる火災鎮圧のため大活躍しているのが、バーニングレスキューと呼ばれる高機動救命消防隊だ。新米隊員のガロ・ティモスは、ある火災現場で攻撃的なテロ集団マッドバーニッシュのリーダー、リオに出会って一味を拘束する。だがこれは、マッドバーニッシュによる巧妙な作戦のひとつだった。彼らは収容施設から、バーニッシュの仲間たちを救出することが目的だったのだ。逃げ出したバーニッシュたちを追って、ガロは単独でリオと対峙する。しかしそこで知らされたのは、プロメポリスの司政官がバーニッシュを使って人体実験を行っているという事実だった。

 近未来(だと思う)の地球を舞台にした長編SFアニメーション映画。脚本は劇団☆新感線の座付作家・中島かずき、監督は今石洋之。映像的には2Dセルアニメーション風のCGアニメなのだが、表現にはカートゥーン風のデフォルメされたタッチも随所に混じり、カラーリングなどは現実的なリアリティよりも、アニメ独自の記号化された表現を狙っているようだ。日本のロポットアニメと、「パワーパフガールズ」的な記号化されたアクションのハイブリッドだろうか。登場するバーニッシュが炎を放つミュータントだというわけでもないだろうが、物語の放つ熱量がとんでもない勢いだ。先日観た『キングダム』(2019)も物語やキャラクターの熱さにクラクラしたが、登場人物たちの放つエネルギーはこの映画の方が凄まじい。この熱さに当初は困惑するが、数分でガチャリと歯車が噛み合って俄然面白くなってくる。後はラストまで一気呵成のジェットコースターだ。

 この映画が描こうとしているのは、今どき珍しい「熱血少年マンガ」なのだ。その熱血少年マンガを成り立たせるために、SF的な設定を持ち出して来る。主人公は「燃える火消し魂」では誰にも負けない、しかし特殊な能力というものは特にない青年。考えるより先に体が動き出す体育会系男子だ。一方そのライバルは、マッドバーニッシュのカリスマ的なリーダー。特殊能力を持つだけでなく、頭脳明晰で容姿は中性的。しかしながら戦闘能力はとんでもなく高い。このふたりの前に立ちふさがるのが、ふたりを合わせたよりもさらに狡猾で強力な敵という黄金展開。共通の敵が現れれば、ライバル同士は手を結ぶのだ。もちろん使い古された手ではある。しかしこの筋立てには、奇をてらってひねこびないシンプルな力強さがある。物語の中に散りばめられたありとあらゆる伏線が一気に回収され、喜怒哀楽の感情が一度に揺さぶられるクライマックスはパワフル。参りました!

109シネマズ名古屋(シアター6)にて
配給:東宝映像事業部
2019年|1時間51分|日本|カラー
公式HP: https://promare-movie.com/
IMDb: https://www.imdb.com/title/tt9116358/

「プロメア」オリジナルサウンドトラック
プロメア
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