6月28日(金)公開 新宿ピカデリーほか全国ロードショー
政権批判の話題作だが映画としては落第点
東都新聞の女性記者・吉岡のもとに、1通の匿名FAXが送られてくる。それは国が進めている大学新設計画に関する資料だった。重大な内部告発だが、情報発信元がわからないのでは情報の裏取りが出来ない。情報の信憑性について検証すると共に、吉村は情報提供者の正体を探り続ける。同じ頃、外務省から内閣情報調査室(内調)に出向中の若手官僚・杉原は、新人時代の上司だった神崎に呼び出される。現在杉崎は内調の上司に命じられるまま、政府のためのネット情報工作に従事していた。そこでは情報の隠蔽や秘匿、敵対陣営へのネガティブ情報の流布、虚偽情報の捏造など、やりたい放題だ。かつて自分に国民のために働く官僚の心構えを説いてくれた神崎を前に、恥ずかしげに現在の自分の境遇をぼやいてみせる杉原。だがそんなかつての部下に、「皮肉なものだ。かつての自分に叱られるとは」と悲しげな笑みを浮かべる神崎。彼はその直後に、自殺してしまった。