ワイルド・スピード/スーパーコンボ

8月2日(金)公開 全国ロードショー

ヘリコプターとトラックのバトルは見もの

 ロンドンでMI6の確保した兵器密売のトラックが何者かに襲撃され、現場にいた犯罪組織のメンバーとMI6の実行部隊が全滅した。襲撃したのは過激な環境テロ組織「エティオン」の戦闘部隊。しかしMI6の女性エージェントであるハッティは、咄嗟の判断でウィルスを自分自身の体に注入して現場を逃れることに成功する。ハッティ追跡の任務を与えられたのは、元アメリカ外交保安部(DSS)の捜査官ルーク・ホブスと、元特殊部隊隊員でMI6エージェントの経歴を持つデッカード。他の事件で犬猿の仲だった二人は、事件解決のために手を組むことになる。じつは逃走中のハッティはデッカードの妹。エティオンの戦闘部隊を率いるブリクストンも、デッカードとは因縁浅からぬ仲の男だった。猛追するブリクストンを振り切って、ハッティ保護に成功したホブスとデッカード。だが彼女の体からウィルスを分離するには、敵の本拠地にある特殊な機器が必要だった。

 2001年にスタートし、これまでに8本の映画が作られている『ワイルド・スピード』シリーズ初のスピンオフ作品。シリーズ5作目に登場したルーク・ホブスと、6作目から登場のデッカード・ショウがコンビを組んで、ハイテク装備の環境テロ組織「エティオン」と戦う娯楽アクション大作になっている。僕自身は本シリーズを1作目しか観ていないので、今回の映画を観て「こんな世界観だったかなぁ」と思ったりもする。例えば今回敵役で登場するブリクストンは、デッカードと争って一度命を落としかけたところを、エティオンに回収されて人体改造を受けたサイボーグ兵士になっているという設定。このSFじみたスーパーテクノロジーが、どうも『ワイルド・スピード』の世界観とミスマッチな気がするのだ。もっともこれは、スピンオフということである程度は許容されているのかもしれない。映画はまだ続編が作られそうなので、今後の展開に注目したいと思う。

 アクションシーンで印象的だったのは、映画後半で展開するトラックとヘリコプターのカーチェイス。10歳の少年が手持ちのオモチャを振り回しながら夢想するような、リアリティを完全に無視した空と陸との戦いだ。これにはぶったまげた。こうした戦いを、アイデアレベルで思いつくことはあるだろう。だがこれを真面目に「映画向けの映像」にするには、膨大な手間と時間、そしてお金がかかるのだ。最初はノリや勢いで「これは面白い!」と思っても、準備期間中に「いくら何でもこれはないなぁ」と思うことはなかったんだろうか。たぶん誰もが多かれ少なかれそう考えたと思う。でも映画はそれを乗り越えてこの場面を成立させて、映画最大のクライマックスシーンを作り上げた。この出鱈目なエネルギーこそが、現在のハリウッドの強さなのだと思う。映像技術の発達でどんな映像でも作れてしまう時代だからこそ、アイデアを完成品に結びつける情熱が大事なのだ。

(原題:Fast & Furious Presents: Hobbs & Shaw)

109シネマズ名古屋(シアター7)にて
配給:東宝東和
2009年|2時間16分|アメリカ|カラー
公式HP: https://wildspeed-official.jp/
IMDb: https://www.imdb.com/title/tt6806448/

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