ジョーカー

10月4日(金)公開 全国ロードショー

道化の仮面がひとりの男を救う

 アーサーは病気の母親の世話をしながら、いつかコメディアンになることを夢見ている。今は街頭宣伝のバイトをしているが、彼自身はこの仕事が嫌いではない。むしろ天職だとすら思っている。人を笑わせてハッピーにするのが、彼の生きがいなのだ。少なくとも、彼は自分でそう信じようとしている。そうとでも思わなければやりきれない現実が、彼の目の前にはあるからだ。街は犯罪に満ちあふれ、人々の心は荒んで、貧富の差は開く一方だ。アーサーのような底辺の人間には、上に這い上がるチャンスすらない。母は認知症を患い、アーサー自身は緊張すると笑いが止まらなくなる病気を抱えている。ある日、同僚から護身用にと銃を押し付けられたアーサーは、うっかりそれを仕事先の病院で落として仕事をクビになる。落ち込んだアーサーは地下鉄の中で笑いの発作を起こして3人組のエリート会社員たちに暴行され、とっさに持っていた銃で相手を射殺してしまうのだった。

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惡の華

9月27日(金)公開 全国ロードショー

お前はド変態のクソムシ野郎だ!

 中学2年生の春日高男は、自分を取り囲む環境にうんざりしていた。ボードレールの詩集「惡の華」の世界に耽溺しながら、自分以外にそんなものを理解する人は誰もいない。友人たちが興味津々にセックスの話ばかりしているのもくだらない。だがそんな春日にも、気になる女子生徒がいる。それは他の男子生徒も憧れている佐伯奈々子。ある日教室に忘れ物を取りに戻った春日は、棚から落ちている彼女の体操着をふと拾い上げ、そのまま家に持ち帰ってしまった。翌日そっと返そうと思ったが、既に「体操着が盗まれた」と大騒ぎでそれどころではない。何もできないまま家路につく春日に、クラスの中でも嫌われ者の女子生徒・仲村佐和が声をかける。彼女は春日が体操着を盗んだことを知っていた。仲村は春日の弱みに付け込んで、強引にひとつの契約を交わす。それは春日が仲村の言うことを、何でも聞かねばならないというもの。仲村の要求は、過激で変態的なものだった。

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時計じかけのオレンジ

10月4日(金)公開 午前十時の映画祭10 FINAL

辛辣すぎて観客を凍り付かせるブラックコメディ

 高校生のアレックスは暴力に夢中になっている。夜な夜な仲間たちとミルクバー(麻薬入りのミルクを飲ませる店)に集まり、高揚した気分で街に獲物を探しに行く。彼らは薄汚いホームレスを袋叩きにしてウォーミングアップしたあと、他のギャンググループと乱闘して汗を流し、最後はお高くとまったインテリの家を襲撃して鼻歌まじりに女をレイプし、夫を叩きのめすのだ。仮病を使って学校を休み、レコード店で二人組の女の子をナンパして3Pセックスにふける。アレックスの強権体制に反抗的な仲間を暴力で屈服させたまではよかったが、強盗に入った家で女を殺したのはまずかった。仲間はさっさとアレックスを見捨てて逃げ出し、彼はひとり刑務所に入ることになった……。14年の刑を受けたアレックスは、牧師お気に入りの従順な模範囚を演じることで脱出の機会を狙っている。唯一のチャンスは、心理学の理論を応用した最新の矯正プログラムを受けることだった。

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