ターミネーター:ニュー・フェイト

11月8日(金)公開 全国ロードショー

シリーズ1・2作目の変奏曲

 1998年。新型ターミネーターとの死闘を制して無事に未来を救ったサラとジョンの親子だったが、未来改編前に現代に送り込まれていたターミネーターは、与えられた命令を遂行するためジョンを射殺する。それから22年。人類と機械の戦場となった未来から、またもや人間とターミネーターが現代に送り込まれてくる。液状金属で自由自在に姿を変えられる新型ターミネーターREV-9と、ターミネーターとの戦いのために全身を強化したサイバネティクス戦士グレイスだ。ターミネーターが追うのはダニー・ラモスというメキシコ人女性。グレイスは彼女を守るのが使命だ。だがREV-9の圧倒的な戦闘力の前に、グレイスも防戦一方。そこに登場したのが、重武装したサラ・コナーだった。彼女は何者かに送られて来たメッセージに導かれて来たのだ。その謎を探るため、3人はメッセージの発信元へ。だがそこで待っていたのは、ジョンを殺したターミネーターだった。

 人気の『ターミネーター』シリーズ6作目だが、この映画は1作目の『ターミネーター』(1984)と2作目『ターミネーター2』(1991)につながるリブート作品。これによって『ターミネーター3』(2003)から『ターミネーター4』(2009)までの続編、リブートした『ターミネーター:新起動/ジェニシス』(2015)といった作品群は、一度リセットされることになった。製作にジェームズ・キャメロンが復帰し、『ターミネーター2』以来本当に久しぶりに、サラ・コナー役のリンダ・ハミルトンが同じ役で戻って来たのは嬉しい。映画導入部にジョン役のエドワード・ファーロングがほんの少し顔を出すのも、シリーズのファンには特大のプレゼントだ。しかしこの映画には、そうした同窓会的な楽しさ以外に新鮮味がほとんどない。物語はシリーズ1・2作目の焼き直しにしかなっていないからだ。シュワルツェネッガーの老いも、映画を湿っぽくした。

 今回の映画は、本当ならもっと面白く、深い内容の映画になってもよかったのだ。未来救済の鍵を握るダニーを助けるため、機械で強化された人間の戦士グレイスと、22年かけて人間らしさを学習したターミネーターが協力し合う。今回シュワルツェネッガーが演じる「カール」は、これまでのシリーズで彼が演じてきた機械仕掛けのスーパーマンとはまったく異なるキャラクターだ。見た目はターミネーターだが、表情も、振る舞いも、言葉づかいも、行動も、すべてが人間くさい。一方、戦士のグレイスは行く手を阻む人間たちを次々に叩きのめすのだが、壁が凹むほど強く頭を叩き付けられた人間たちの命が無事だとも思えない。彼女は人間でありながら、目的のためには人の命を何とも思わないターミネーターのような存在になっている。人間のような機械と、機械のような人間。その対比が上手く成功していれば、この映画は新しい傑作になっていたかもしれないのだが……。

(原題:Terminator: Dark Fate)

ミッドランドスクエアシネマ2(シアター8)にて 
配給:ディズニー 
2019年|2時間9分|アメリカ|カラー|2.39 : 1 
公式HP: http://www.foxmovies-jp.com/terminator/ 
IMDb: https://www.imdb.com/title/tt6450804/

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