ボヘミアン・ラプソディ

2018年11月9日(金)公開 全国ロードショー

ドルビーシネマ初体験はボヘラプ

 1970年。空港で働く音楽好きの青年ファルークは、お気に入りのバンド「スマイル」のボーカリストが脱退したと知って後釜のボーカルに名乗りを上げる。恋人メアリーとの幸せな暮らしもスタート。間もなくバンドは「クイーン」に改称し、ファルーク自身は「フレディ・マーキュリー」に改名した。最初のアルバムを自主製作中、大手レコード会社EMIにスカウトされて、クイーンはメジャーデビューが決定。3枚目のアルバからは大ヒット曲は「キラー・クイーン」が生まれた。だが同じ路線で次のヒットを狙おうとするレコード会社幹部に反発し、クイーンは「ボヘミアン・ラプソディ」という6分の大作をリリース。この曲とアルバム「オペラ座の夜」で、クイーンは人気と実力を兼ね備えた世界的バンドに成長。だがその裏側で、フレディの抱えたある秘密が、彼とバンドメンバーたちの間にきしみを生み出し始めていた。フレディは少しずつ孤立するようになる……。

 名古屋にできたドルビーシネマのお披露目として、特別上映された『ボヘミアン・ラプソディ』を観てきた。僕はこの映画を一度観ている。その時がIMAXレーザーでの鑑賞だったこともあり、今回のドルビーシネマ上映に「すごい」という印象はあまりない。上映環境としては甲乙つけがたいのではないだろうか。しかし封切りから数ヶ月で動画配信サービスで映画が観られるようになる時代に、こうしたプレミアム・スクリーンでの映画体験を売りにする劇場が増えるのは嬉しい。動画配信が悪いわけではない。DVDやBlu-rayも結構。しかし映画はやはり、映画館で観てこそ真価を発揮する表現であるべきだと思うのだ。映画がテレビに対抗意識を燃やした1950年代のワイドスクリーン時代のように、現代の映画が自宅鑑賞とケンカをする必要はない。映画は映画なのだから。しかしそこには、リングサイドで観るボクシングとテレビ観戦ぐらいの違いはあっていい。

 映画には意図的にも無意識的にもキリスト教的なモチーフが取り上げられることが多いのだが、この映画はそれがかなり露骨に見え隠れしている。例えばストーリーは「放蕩息子の帰還」が下敷きだ。身勝手な理由で家を飛び出していった主人公は、危機的な状況に追い込まれて心を入れ替え、再び家族のもとに戻って行く。映画ではバンドメンバーたちがフレディの家族として描かれているわけだが、その背後にいるファンたちもまた、無償の愛でフレディを迎え入れた家族として描かれる。映画のクライマックスにある一体感は、ライブ会場を埋め尽くすファンやテレビを通してライブを観るファンの姿を通して、映画館にいる観客たちもフレディと一体になる体験を生み出しているのだ。さらに言うと、フレディが荒廃した生活から抜け出すきっかけとなる場面で土砂降りの雨が降っているのは、人の罪を洗い流すとされる「洗礼」のメタファー。以上、役に立たない豆知識でした。

(原題:Bohemian Rhapsody)

ミッドランドスクエアシネマ(スクリーン5)にて 
配給:20世紀フォックス 
2018年|2時間14分|アメリカ、イギリス|カラー|2.39 : 1|Dolby Atmos 
公式HP: http://www.foxmovies-jp.com/bohemianrhapsody/ 
IMDb: https://www.imdb.com/title/tt1727824/

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