テッド・バンディ

12月20日(金)公開 TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー

殺人鬼は我々の善き隣人だった

 1980年代の終わり。エリザベス(リズ)・クレプファーは刑務所に一人の男を訪ねていた。相手の名はテッド・バンディ。アメリカで30人以上の若い女性を陵辱・殺害した、稀代のシリアル・キラーだ。「なあ、出会ったときのことを覚えてるか?」とたずねるテッド。二人はかつて恋人同士として、何年間か同棲していたことがある。出会ったのは1969年、とあるバーでのことだった。一緒に飲んだあと彼女を自宅まで送ったテッドは、シングルマザーのリズに優しく包み込むような愛情を注ぐ。幼い娘ともすぐに親しくなった。結婚こそしなかったものの、子供を含めた3人は幸せな家庭を築いていたのだ。だが1975年、テッドが逮捕されたことでこの生活は終わる。彼は前年ユタ州で起きていた女性誘拐事件の容疑者として身柄拘束され、裁判を受けることになった。「これは誤解だ。僕は無実だよ」と身の潔白を主張するテッドを、リズは信頼していたのだが……。

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この世界の(さらにいくつもの)片隅に

12月20日(金)公開 全国ロードショー

40分の追加で前作の印象は一変した

 昭和18年の暮れ。突然申し込まれた縁談に応じる形で、翌年すずは広島の実家から呉の北條家に嫁いだ。18歳だった。夫の周作は優しく、嫁ぎ先の両親も良くしてくれる。夫を亡くして実家に出戻った周作の姉・径子が、時々すずに嫌味や小言を言うこともあるが、おっとり型のすずはそれを軽くいなしてしまう。戦争は既に始まっている。物資は乏しくなり、生活は苦しくなっていく。そんな中、お使いを頼まれた呉の街で、すずは遊郭で働くリンという女性に出会う。住む世界もまったく違う二人だったが、やがてすずは、リンと夫周作の間にあったある関係に気づいてしまうのだった。翌年、実家の兄が戦死。遠い世界の戦争は、少しずつすずたちの身近なところにもやってくる。各地から伝わってくる空襲の報道。やがてすずたちの頭上も敵機が飛び、高射砲陣地の砲撃音が響き、空襲や機銃掃射に追われる日々がやって来る。舅は空襲で行方不明になり、周作も招集された。

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ウエスト・サイド物語

11月29日(金)公開 午前十時の映画祭10FINAL

見出し(1行)

 ニューヨーク、ウエスト・サイド。ポーランド系アメリカ人の不良グループ「ジェット団」のメンバーは、最近になって衝突が絶えないプエルトリコ系の不良グループ「シャーク団」にいら立っていた。ジェット団のリーダーであるリフは、相手との決闘で決着を付けることに決める。そうなれば、ジェット団の創設メンバーであり、リフにとっての親友、兄貴分でもあるトニーに加勢を頼みたい。リフはトニーを説き伏せて、その晩決闘を申し込むパーティ会場にだけは来てくれるよう約束を取り付けた。だが約束通り会場に現れたトニーは、その場にいた一人の少女に恋をする。それはシャーク団のリーダー、ベルナルドの妹マリアだった。マリアも一目でトニーに心引かれ、ふたりはその後、翌日の再開を約束して別れた。そして翌日、ジェット団とシャーク団がその夜決闘すると知ったマリアは、トニーにそれを止めてくれるよう頼む。これが大きな悲劇につながるとも知らずに。

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