エクストリーム・ジョブ

1月3日(金)公開 シネマート新宿ほか全国ロードショー

序盤はユルいが中盤からはすごく面白い

 警察麻薬課のコ班長チームは、最近これといった成果も上げられないままチーム解体の危機に瀕していた。大物テッド・チャンを取り逃がしたのも大きな痛手だ。そんな折も折、署内のライバル班から耳寄りな情報が届く。麻薬組織の大物イ・ムベが帰国して、再び大きな取引がありそうなのだ。コ班長チームはイ・ムベの事務所前にある唐揚げチキン屋から張込みを続けるが、店が閉店すると聞いて大慌て。「それなら俺たちが店を買う!」。班長の退職金を前借りして店を買い取ったが、営業しないと相手に怪しまれてしまう。そこで形式的に唐揚げ屋として営業を始めるのだが、どういうわけか売り出したチキンが大ヒット。開店前から大行列ができる繁盛店になってしまった。朝から晩まで厨房と食卓を切り回し、これでは本業が刑事なのか唐揚げ屋なのかわからない。客を減らそうと大幅値上げをすれば、この「高級化路線」で店にはさらに客が殺到するようになってしまった。

 韓国で大ヒットした刑事アクション・コメディだが、序盤はモタモタした展開で正直どうなることかと心配になる滑り出し。しかしカモフラージュのための唐揚げ屋が大繁盛し始める中盤からは、物語とキャラクターが噛み合ってきて面白く観られる。映画クライマックスの大アクションシーンは、観ているこちらの体温が2度ぐらい上昇するような熱血展開。結果は大満足なのだが、それでもこれがなぜ韓国で大ヒットしたのかはよくわからない。思うに、これ「ほどほど」の魅力なのではないだろうか。登場するのは抽象的な「麻薬犯罪」で、善悪の対立が明確。悪役は凶悪だが間抜け、善玉は正義漢だが不器用。しかし正義は必ず勝つ。アクションは派手だが血なまぐさい過激さはなく、エロチックなシーンは一切出てこない。子供からお年寄りまで、家族みんなで安心できる娯楽作品なのだ。韓国にはもっとスゴイ映画がたくさんあるわけだが、本作はそのスゴイ部分を狙わない。

 登場人物たちのキャラクターが、少年ジャンプのように明確。それぞれの個性を飲み込めてしまうと、映画はじつに楽しいものになる。僕は同じ映画を二度三度と観ないのだが、この映画は多分、各キャラクターの個性を理解した上でもう一回観た方が楽しいと思う。それは映画序盤での各キャラクターの売り出し方が、あまり上手くないという意味でもある。映画中盤からは60点か70点の及第点、終盤のアクションは100点満点だが、映画序盤は30点か40点ぐらいだ。強行突入に失敗した警官チーム同様に、この映画も導入部で観客を物語に突入させることに失敗している。間抜けな警官たちと一緒に、観客も物語の外側で宙吊りにされている感じだ。といったことを書いていたら、導入部は20点ぐらいでもいいような気がしてきたな……。今後この映画をレンタルやネット配信などで観る人は、導入部のゆるさに負けず、最後まで観続ける野球部のような忍耐が必要だぞ!

(原題:극한직업)

ミッドランドスクエアシネマ2(スクリーン14)にて 
配給:クロックワークス 
2019年|1時間51分|韓国|カラー|シネマスコープ|5.1ch 
公式HP: http://klockworx-asia.com/extremejob/ 
IMDb: https://www.imdb.com/title/tt9541602/

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