パラサイト 半地下の家族

1月10日(金)公開 TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー

これは現代版『天国と地獄』だ

 低所得者が多く住む裏町で、家賃の安い半地下の部屋に住むキム一家は、家族全員が失業中だ。そんな中、浪人したまま定職にも就かないでいる長男ギウに、高校時代の友人が紹介してくれたのが、家庭教師のアルバイトだった。もともとその友人のバイト先だったのだが、急きょ留学が決まって後釜にギウを紹介したのだ。数日後、ギウが向かったのは高台の高級住宅地。高名な建築家が設計したというパク家の豪邸で、ギウは女子高生ダヘに英語を教えることになった。その家には小学生の息子ダソンもいて、両親は絵を教える家庭教師を探しているという。ギウは姉のギジョンを海外から帰ったばかりの美術療法士に仕立て、同じパク家に雇わせることに成功。さらにギジョンはトリックを使って一家の主人が雇っていた運転手を解雇させ、架空の運転手派遣会社を介して父ギテクを新しい運転手として雇わせる。残るは母チュンスクを雇わせる番だが、これは少し手間がかかった。

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家族を想うとき

2019年12月13日(金)公開 ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次公開

普通の人々を縛る見えないシステム

 長年建築労働者として働いてきたリッキーは、妻や子供たちに少しでも余裕のある暮らしをさせてやりたいと一念発起し、地元の運送会社と配達ドライバーの契約を結ぶ。仕事用に車を購入するのは痛い出費だが、頭金は訪問看護の仕事をしている妻アビーの車を売って用立てた。しかし車を手に入れたことで、リッキーは一国一城の主だ。仕事は朝7時から夜9時まで続く14時間勤務。仕事はきついが、家族のことを思えばがんばれる。だが家族のために始めた仕事なのに、家族と過ごす時間はほとんどない。とくに長男が反抗的で手が付けられない。運送会社の担当者は、ことあるごとに契約ドライバーから罰金を取り立てる。「あなたは従業員じゃない。独立事業者だ。互いに対等な立場で交わした契約がある。問題が起きてもうちは知らない。それはあなたの自己責任だ」。配達の仕事をはじめてから、リッキーの家族は少しずつ歯車が噛み合わなくなってくるのを感じていた。

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